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アンケート:学芸員が倫理的にやっちゃだめなこと

 帝塚山大学博物館経営論の受講生へのアンケート、2012年度第6回目。「学芸員が倫理的にやっちゃだめなこと」です。イコム(ICOM・国際博物館会議)の職業倫理規定を読んだので、このお題です。回答の50音順に示します。

・ある一部の人に干渉するような文言は、説明文や直接説明する時にいれてはいけないと思います。あらゆる人に公平、かつプラスになる説明を心がけるべきでは。
・遺骸や神聖な意義を持つ資料以外の物であっても区別する事なく、安全で敬意のこもった資料の所蔵保管がなされなければいけないと思う。 
・お客さん(や関係者)自身の情報を他人に話すこと。
・空気を読んだり遠慮すること。専門的かつ広く様々な作業をこなさなければならないので、自己主張して、それをいろんな人に受け入れてもらえるように積極的に行う必要があると思います。
・芸術品などを相手をだまして高いお金で売りつけること。
・私語が多いとか。
・仕事(対応など)の放棄。
・自分の立場を悪用して社会に損失を与えること。
・自分のために展示品を持って帰ってはいけない。
・自慢してはいけない。
・収蔵品の破損。
・収蔵品を売り払うこと。
収蔵品を乱暴に扱う
・資料の見方を偏った考えで教える。
・資料を集めるため人の尊厳をないがしろにすること。
・展示の際、ジャンルがかたよりすぎないようにすること。また、金銭的に価値のあるものばかり展示すること。
入館者に干渉しすぎること。入館者が展示物について学芸員に尋ねてきて、その質問に答える分にはいいのですが、自分(学芸員)の考えを押しつけすぎるのはよくないと思います。ある程度、入館者と距離をもって接することが大切だと思います。
・博物館に収蔵されている物品を自分のものとすること。
・博物館の私物化
間違った情報を利用者に教えてはならない。
・間違った説明をすること。
・来館者の個々の価値観に反して決めつけるような説明。
・利用者に対して騙すこと、偽ること
・歴史的、文化的価値があまり高くないからといって、その品を販売もしくは自分のコレクションとする。

 アンケートでは「やっちゃいけないこと」だけに特化しましたが、もちろん倫理規定は、やるべきこと・やるべきでないことを提示するものです。専門家・専門的職員である学芸員は、常に高い倫理性を持って自らの専門性を発揮していかなければなりません。日本ではまだ、博物館における倫理規定は研究段階ですが、全国のミュージアムに、あるべき博物館像を届けるものとして、期待されます。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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