観仏三昧的生活のこぼれ話とミュージアムや文化財に関するトピックス。
河内将芳『祇園祭の中世-室町・戦国期を中心に-』(思文閣出版、2012・5)「まず、室町期の祇園会、とりわけ山鉾巡行の特徴をあらためて述べるとすれば、それは、なにより「見る」「見られる」ことがとくに意識された祭礼であったといえるだろう。そのことを示す史料上のことばが「見物」、あるいは「御見物」にほかならないが、その見物の主体が、室町殿(室町幕府の頭首、将軍家の家父長)や内裏(禁裏・天皇)・仙洞(治天・上皇)といった室町期の公武政権の中核をなす人びとであったという点は特徴的といえる。
しかも、室町殿においても、また内裏・仙洞においても、おのおの先代・先々代の見物のありかたを多分に意識して、みずからの見物のありかたを選択するといった祭礼は、おそらく当時としてはかなり特別な存在だったのではないだろうか。」(314ページ)
Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。
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