7月16日
秋吉台国際芸術村・柴川敏之展-2000年後の化石絵巻
(7月2日~7月29日)
秋芳洞、秋吉台をめぐって、近くの秋吉台国際芸術村へ。山中の桃源郷のようなところ。
身近なものの表面に錆の堆積風塗装を施して、2000年の時を経て出土したものと見立てる展示。2000年後の未来の視点から現代を考えるきっかけに、とのことだが、錆びを表す技法が秀逸で、多分この技法が先にあって、コンセプトが後からついてきたのではあるまいか。あまり教条的にならずに、もっと素直に、プラスチックでもガラスでも紙でも、錆びないものを錆びさせてしまうことの面白さをアピールし、その「錆び」という現象に意味を持たせればよいのに、と思う。
7月17日
・厳島神社・大願寺・大聖院・宮島歴史民俗資料館 宮島、初上陸。厳島神社で建築物をじっくりと見、根継作業など見学。社殿の壮麗さもすばらしいが、海中の鳥居、社殿裏の禁足地の森、背後の弥山を含めた信仰環境を体感できた。厳島神社宝物館で社宝を、大願寺で釈迦三尊像(重文、鎌倉時代、元大経堂本尊)、薬師如来坐像(重文、平安時代末、元多宝塔本尊)、大聖寺で本尊十一面観音立像(鎌倉~南北朝時代頃)、不動明王坐像(平安時代、重文)を拝観し、多宝塔(大永3年<1523>、重文)、五重塔(応永14年<1407>、重文)、豊国神社(元大経堂、天正15年<1587>、重文)を巡る(妻子は付き合ってくれず土産物屋巡り)。弥山に登れなかったのが心残り。いつか、きっと。
宮島の歴史について知りたいと思い宮島歴史民俗資料館にも立ち寄るが、NHK大河ドラマ関連の特別企画で市主催のイベント会場と化して「平清盛館」と命名され、出演キャストとか撮影小道具とか意味不明の展示で内容も薄い。清盛関連の浮世絵などもあるが1年館展示替えしなさそう。資料館を空虚な場とし、歴史資料を浪費している現場を見るのもつらいが、「ブンカってこんなものでしょ?」と主催者側が本気で思っているらしいことも透けて見えて悲しい。
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