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展覧会・文化財を見てきました(京博「大出雲展」)

8月12日
京都国立博物館
 古事記1300年・出雲大社大遷宮特別展覧会 大出雲展
(7月28日~9月9日)

 出雲地域の歴史と文化を、古代~中世を中心にしてさまざまな文化財から提示。個人的には多数出陳されている神像に注目。清水寺の摩多羅神坐像をやっと拝観。像内墨書名から嘉暦4年(1329)、南都法橋覚清によって摩多羅神として造像されたことが判明。本像とともに仮面も見つかっていると聞くので、美術史だけでなく、芸能史上においても重要な作例。万福寺(大寺薬師)の老相神坐像は、頭頂に髻を結い上げはだけた胸にあばらが浮き出た老相の神像。背を強く反らせた側面感など古様で、10世紀後半ごろか。道教の神仙にもみえる。これに似た作例として、鰐淵寺男神坐像も髻を結いあごひげがある晦渋な表情が特徴的。痩せた老人の姿の神、という類型に意識をむける必要性を痛感。同じ鰐淵寺童形神立像は不思議な形の持ち物を地面に突き立て足で踏み込む姿。解説では鋤とみて農業神と捉える。横田八幡宮の騎馬神像は馬上に乗る童子神をあらわす。同社は建久7年(1196)に石清水八幡宮の別宮として勧請されたとされ、製作時期の上限はそこか。ただし作風上は平安後期風が強い。神像の「藤末鎌初」の判断を作風から行うのは極めて難しいので、勧請時期は重要な情報。
 図録あり(336頁、2300円)。東京国立博物館でも特別展「出雲-聖地の至宝-」(10/10~11/25)が開催されるが、別の体制での開催であり内容も変わるようで、図録もそれぞれ別物。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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