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展覧会・文化財を見てきました(岐阜県博「飛騨・美濃の信仰と造形」)

10月21日
岐阜県博物館
・特別展 飛騨・美濃の信仰と造形-古代・中世の遺産-
(9月21日~10月28日)
 岐阜県での国体開催にあわせて、県内の宗教文化に関わる優品を、指定物件を中心に集める。常楽寺菩薩形坐像2躯(重文)は、平安時代初期の珍しい奏楽菩薩像で、動きのある体勢、生き生きとした面貌表現に優れる。岩滝山奉賛会毘沙門天立像(重文)は、和風の兜を着ける珍しい姿。一般に、類似する動勢の願成就院や浄楽寺の運慶作毘沙門天像などとの比較から、鎌倉時代初期の慶派作例と評価されるが、側面観での体型や姿勢は平安時代後期の要素が強く、なお検討が必要な作例。平安時代末の奈良仏師作例か。願興寺阿弥陀如来坐像(重文)は、運慶第二世代の典型的な、優れた水準の作例。仏画では永保寺千手観音像(重文)が、南宋仏画の優品。眼福。来振寺の五大明王像(国宝)も。森水無八幡神社の神像10躯(重文)は平安時代後期の群像。威相の男神像で、巾子冠 ・袍を着け笏を執る同一の形状ながら、造像時期に違いがあり、数グループに分かれる。数十年ごとに神像を新たに作るようなことがあったものか。のんびりした風貌の阿多由太神社随神像(県指定)、平安時代後期とされるが、作風からはもう一つはっきりしない。あるいは年輪年代法で最外輪を測り、造像年代の上限を押さえるようなことも効果的かもしれない。
 初見資料が多く、さまざまに思いを巡らせることができて、大変充実した気分。地域の優れた文化財の情報を共有させてもらえるこうした機会は、本当にありがたい。会場では、当日に講演会をされる大先生の姿をお見かけしてご挨拶。図録あるも、売り切れとのことで残念。代わりに『岐阜県の仏像』(96ページ)を購入。
 博物館がある岐阜県百年公園では、オータムフェスティバルというイベントで大賑わい中。子らは仏像は見ずに、イベントで開催中の化石クリーニングの体験。地場の名産を出した屋台をはしごして昼食。楽し。

かがみがはら航空宇宙科学博物館
 飛行機大好きの長男のために、飛行機の街・各務原の同館で午後を過ごす。ででーんと鎮座ましますYS11やP-2J対潜哨戒機、US-1A救難飛行艇、STOL実験機飛鳥などなどの実機展示に、大人も子どもも夢中。YS11は機内にも乗り込める。博物館展示としては、飛行機の揚力をいかに増やしていくか、という試行錯誤を展示の軸にしている模様。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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