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展覧会・文化財を見てきました(大津市歴博「阿弥陀さま-極楽浄土への誓い-」)

10月27日
大津市歴史博物館
・企画展 阿弥陀さま-極楽浄土への誓い-
(10月13日~11月25日)

 法然入滅800年、親鸞入滅750年の節目に、浄土信仰発祥の要地・比叡山を抱える大津市で、新発見資料を多数含む、さまざまな阿弥陀如来像を集める。
 西教寺本尊の丈六阿弥陀如来坐像(重要文化財・平安時代後期)の光背に取り付けられる化仏と飛天が、直近の調査で造像当初のものと判明、そのうち化仏4躯を出陳。院政期における丈六阿弥陀像の荘厳のあり方を伝える、貴重な事例。
 作風から鎌倉時代の院派仏師作例と推定されるものとして、世尊寺阿弥陀如来及び両脇侍像の脇侍や、徳乗坊阿弥陀如来立像、妙盛寺阿弥陀如来及び両脇侍像、浄国寺阿弥陀如来及び両脇侍像が展示。浄国寺像は、近時の修復により綺麗に塗り直されているが、極めて精緻な金銅透かし彫り光背に圧倒される。
 表面加飾の特殊な作例として大超寺阿弥陀如来立像は、鎌倉時代半ば頃までの造像と見られるが、衣や袈裟にびっしりと、形式化していない豪華な盛上彩色が施される。一般に盛上彩色の最盛期は南北朝時代であるが、宋風受容という点とも併せて、その発生の時期について考える上での貴重な一事例。
 近時、行快(快慶弟子)作例と判明した、西教寺阿弥陀如来及び両脇侍像(足ほぞに「工匠法橋行快」銘)、浄信寺阿弥陀如来立像(足ほぞに「■■法橋行■」銘)や、推定行快作例(及び行快工房作例)として遍照寺・西岸寺・峰定寺・華階寺・青龍寺の阿弥陀像を展示。行快研究の水準を押し上げる貴重な調査研究成果で、今後の論文化が待たれる。
 絵画資料では、髪部に人毛を植え込んだ安養寺の阿弥陀来迎図(南北朝時代)、滋賀院の阿弥陀八大菩薩像(高麗)、本福寺親鸞聖人像(室町時代)などなど。ほか、市域の浄土宗寺院に伝来する仏像・仏画についても、新規調査の成果を踏まえて多数展示される。図録あり(144ページ、1500円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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