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展覧会・文化財を見てきました(龍谷M、東寺宝物館、京博、大和文華館、二上山博)

11月1日
龍谷ミュージアム
 特別展 “絵解き”ってなぁに?-語り継がれる仏教絵画-
(10月13日~11月25日)

 仏教者による唱導の一形態である「絵解き」のあり方を、絵画資料を中心とした多数の資料を集約して「絵解」いた、意欲的な内容。絵因果経の諸本、金戒光明寺地獄極楽図、道成寺縁起、各種の寺院縁起絵や高僧絵伝、参詣曼荼羅などなど、指定物件の優品から、近時見出された新出のものまで、各地に伝わる唱導関連資料に細かく目配りして資料を集める。珍しいものでは、西南院の巨大な当麻曼荼羅版木(江戸時代)なども。彫刻では、近時報告された、天正2年(1574)銘の長命寺釈迦如来坐像が初公開。展示替えがかなりあり、全資料の鑑賞にはさすがに至らないので、WEB上に展示替え表が欲しいところ(会場にはあり)。図録(224ページ、2200円)あり。大変読みやすく、充実の執筆陣によるコラムも多数あって、優れた内容。龍谷ミュージアム、初年度の長期間にわたる開館記念展を終えたところであるが、その後の方向性や目指す役割がしっかりと提示された展示であると思う。

東寺【教王護国寺】宝物館
 弘法大師行状絵巻の世界-東寺と弘法大師空海-
(9月20日~11月25日)

 東寺本の弘法大師行状絵(重要文化財、南北朝時代)全巻を展示。ただし展示替えがあって、一度の展示は6巻づつ。かつ、展示スペースの関係で各巻は部分的な展示にとどまる。2000年発行の図録『弘法大師行状絵巻の世界-永遠への飛翔-』を購入して、全画面をながめることにする。

京都国立博物館
 特別展覧会 宸翰 天皇の書―御手が織りなす至高の美―
(10月13日~11月25日)

 宸翰を多数集約する、希有な機会。各天皇の「書」への強い思い入れが、伝わる(展示担当者の天皇の「書」への思い入れが伝わっているのかもしれない)。個人的には、やはり空海の書、嵯峨天皇の書に魅入られた。空海の筆跡に視線を沿わせながら、空海の体と自らの体が重なるような感覚を楽しむ。図録あり(2800円)。

大和文華館
 特別展 清雅なる仏画-白描図像が生み出す美の世界-
(10月7日~11月11日)

 密教における白描図像を中心とした優品を数多く集約し、図像そのものの美しさとともに、本画との関係に目配りした貴重な機会。金胎仏画帖の分蔵される諸本を集約し、醍醐寺仁王経五方諸尊図、奈良国立博物館戒壇院厨子扉絵図像、仁和寺の高僧図像や十二神将図像、石山寺聖教中の図像類など、目がくらむ…。本画では金剛峯寺善女龍王像、唐招提寺大威徳明王像、桜池院薬師十二神将像、東京国立博物館諸尊集会図などなど、こちらも充実。図録あり(140ページ、2100円)。各図像の図版をふんだんに掲載してあり、研究上においても利用価値の高い白描図像全集の体。精緻な参考文献リストと併せて、仏教美術研究者必携かも。

香芝市二上山博物館
 特別展 役行者、二神の上の峯に登る-二上山と信仰の系譜-
(9月29日~11月25日)

 二上山の文化史的位置について、考古資料と美術工芸資料から提示し、後半で二上山と修験道との関わりについて示す構成。等身大の大きさの、吉祥草寺役行者及び前後鬼像のほか、聖護院から多く資料を出陳する。葛城修験を考える上で、関連資料に接することができ、たいへんありがたい。図録あり(28ページ、500円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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