FC2ブログ

Entries

展覧会・文化財を見てきました(福岡市博物館・西南学院大学博物館・九州歴史資料館)

11月7日
福岡市博物館
・特別展 能のかたち-NIPPON 美の玉手箱-
(9月15日~11月11日)

 福岡市博所蔵の能面・能装束コレクションを活用しながら、特に能面の多用なかたちと、制作者(面打)の系譜を、全国から優品を集めて網羅的に取り上げる。第1部で翁・尉・男・女・鬼神(怨霊面は男女面に含める)の面を示し、第2部で銘記と焼印に注目して面打をおおむね家別に示す。第3部で福岡と能について取り上げて地域史への目配りをする。
 展示替えもあったため一度に全てを眺められたわけではないが、出陳仮面172面を数える、大能面展の体。平成22年に国立能楽堂で開催された特別展「能面に見る女性表現―女面の成立と変遷―」とともに、能面研究の上で、今後語り継がれる展示では。図録あり(272ページ、2300円)。面打の焼印の図版が大きく掲載され、とてもありがたい。

西南学院大学博物館
・特別展 キリシタン考古学の世界-今日に甦る祈りとさけび-
(10月19日~12月15日)

 近年、九州各地で出土事例が増えているキリシタン関連の考古資料を集約する。聖なるモチーフがあらわされたメダイ(お守り)が多く、島原・天草一揆の拠点となった原城では銅製十字架(ロザリオ)も出土している。天草市立キリシタン館所蔵の隠し十字仏は、光背・台座を備えた定印の如来坐像であるが、細部の形状に混乱があったりする洗練されない造形で、本体を蓮肉ごとはずして迎蓮上にある敷茄子を、台座心棒のやや上に持ち上げることで、心棒を縦軸、敷茄子を横軸とする十字架に見えるというもの。本当に意図的な工作なのかどうか構造の詳細を知りたいところであるが、隠れキリシタンの過酷さと、その強固な信仰心を垣間見ることができる。図録あり(52ページ、500円)。ヴォーリズ建築である同館内では、学生さんがパイプオルガンの練習中。倍音が天使の声に聞こえ、幸せ。

九州歴史資料館
・特別展 長崎街道-世界とつながった道-
(10月30日~12月27日)

 長崎街道の冷水越と筑前六宿・内野宿が開かれてから400年という節目に、長崎と上方・江戸を結んだ長崎街道について、各宿場に関する資料を中心に展示。興味深い絵画資料として、秋月郷土館の島原陣図屏風、九州国立博物館の川原慶賀筆長崎港図、長崎歴史文化博物館の円山応挙筆長崎港之図など展示。図録あり(112ページ、900円)。同館が開館されてから初めての訪問なので、他の展示も見て回り、また沖ノ島の世界遺産登録推進のための映像コンテンツをじっくり鑑賞。やはりすごい場所と実感。

筥﨑宮
 八幡三神を祭祀する同宮を初参拝、石鳥居、楼門、本殿、拝殿が重文。楼門には「敵国降伏」の額。モンゴル襲来の現地を、しみじみ実感する。山崎朝雲による亀山上皇銅像の巨大な木型原型が境内に奉安されているが、拝観できないもよう。
 参拝後、夜も開いている福岡アジア美術館に向かうも、無情にも水曜日休館とのこと。残念。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/595-2af3a42d

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

月別アーカイブ

ブログ内検索