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展覧会・文化財を見てきました(京都文博「八瀬童子」、京博「国宝十二天像と密教法会の世界」)

1月12日
京都文化博物館
・重要文化財指定記念 八瀬童子-天皇と里人-
(12月15日~1月14日)

 京都市八瀬地域の歴史と文化を、古文書類を中心に紹介。冒頭、「八瀬童子等」宛に発給された、後醍醐天皇以降、歴代天皇による諸役免除を伝える25通の綸旨(八瀬童子会蔵)をずらりと並べ、八瀬の特殊性を明示する。薄墨色の宿紙についても注意を促す。ほか、近世における比叡山との堺争論、明治天皇以降の大喪に輿丁として参加した歴史を丁寧に追う。村の念仏堂に安置されていた10世紀の十一面観音立像(重文)、12世紀の毘沙門天立像、薬師如来立像と、近年住友財団の助成で修理された、12世紀後半ごろのやや現実的な風貌で足元に長靴を履いた毘沙門天立像の4躯(八瀬文化保存会蔵)をじっくり鑑賞。
 長く非公開であった八瀬童子関連資料の調査と公開を積極的に進め、その資料の寄託を受ける京都市歴史資料館(及び担当学芸員)の成果を、資料一括が重文指定されたことを受け、文博で広く提示する意欲的な機会。図録あり(94ページ、1500円)。展覧会に協賛し、写真の画像処理や現地景観の大型パネル制作に関わった会社(ニューリー株式会社)の技術宣伝が図録にあるが、展覧会全体における同社の立ち位置が掴めず、その割にアピールが強いため、どのように見ればいいか、ちょっと困る。

京都国立博物館
・特別展観 国宝 十二天像と密教法会の世界
(1月8日~2月11日)

 東寺で行われている後七日御修法(8日~14日)の時期に合わせて、後七日御修法と灌頂儀礼を取り上げ、院政期において密教法会の場がいかに構築されたのか、その具体的なイメージを喚起させる資料群を一堂に展示。
 京博蔵、東寺旧蔵の十二天像(国宝)、東寺・五大明王像(国宝、一部)、西大寺・十二天像(国宝、一部)、神護寺十二天屏風(重文)、聖衆来迎寺十二天像(重文、一部)や、京博の山水屏風(国宝)、高野山水屏風(重文)、醍醐寺山水屏風(重文)などなど、平安~鎌倉時代の絵画資料の優品がずらり。他、仁和寺や東寺の聖教類や東寺百合文書(京都府立総合資料館蔵、国宝)からも多数出陳があるほか、神護寺の灌頂暦名(空海筆・国宝)、東寺の弘法大師御請来目録(最澄筆・国宝)、密教法具、東寺旧蔵の十二天面も。図録あり(148ページ、1700円)。
 京都国立博物館所蔵・寄託品が中心であるが、常設展示がない間にあっては、こうした収蔵品を活用し、かつ研究員の専門性を十二天に、もとい十二分に発揮した好企画は大変うれしい。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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