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展覧会・文化財を見てきました(葛城市歴博「當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール」)

葛城市歴史博物館
 特別陳列 當麻曼荼羅完成1250年記念 當麻寺菩薩面と古代の匠のプロフィール
(12月22日~1月20日)

 当麻寺の縁起に、天平宝字7年(763)に作られたと伝えられる、綴織当麻曼荼羅図。その完成1250年の節目に、当麻寺練供養会式(来迎会)で使用されてきた菩薩面等28面の行道面全てを、一堂に並べて公開する有意義な内容。
 これらの菩薩面は、鎌倉時代~江戸時代のものが混在しており、概ねその制作時期別に固めて展示することで、各面の比較を容易にする。制作時期自体は、『当麻寺来迎会民俗資料緊急調査報告書』(元興寺仏教民俗資料研究所、1975年)に依拠し、会場にも同書を置いて閲覧可能とする慎重な態度。仮面群中には、作風の異なるものが混在しており、制作時期の前後や、作者系統の違いなど、さまざまに解釈が可能で、こうした判断は穏当だと思う。実際に比較しながら見ていくと、報告書で室町時代とされたものの中に、もう少し遡るかもと思うものもあるが、そうしたことも、全ての仮面を見られるからであり、このような経験は他に得難い。今後先学の評価を踏まえ、さらに精度を高めていく作業が必要で、今春の奈良博特別展「当麻寺-極楽浄土へのあこがれ-」にも期待。
 うち、室町時代とされてきた菩薩面の髻部材に、建保3年(1215)銘があることも紹介。仮面とは別材の髻部であるので、仮面自体の制作時期を直ちに決定しないが、他の鎌倉時代の仮面に附属する髻とも形状が異なり、当麻寺菩薩面群成立の複雑さを、改めて感じる。図録なし。 
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大河内智之

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「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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