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展覧会・文化財を見てきました(岡山県博「栄西展」、島根県立古代出雲歴博「出雲大社展」)

4月28日
岡山県立博物館
・特別展 栄西 
(4月19日~5月19日)

 栄西800年遠忌の節目の年に、出身地で開催される栄西展。読みは「ようさい」で統一。栄西と深く関わる建仁寺、誓願寺、東大寺に伝わる資料とともに、栄西の出身氏族賀陽氏関連資料や、栄西修行地の大山寺、金山寺などの資料を集め、禅顕密を兼修し東大寺大勧進職も勤めた入宋僧栄西の実像を示す。
 吉備津神社の行道面(平安時代)、個人蔵の女神坐像(吉備津神社神職家伝来、平安時代)、白鳳仏の模造とみられる安養寺銅造如来立像(平安時代?)、大山寺の銅造観音菩薩立像(北宋あるいは遼)、金山寺の密教法具(鎌倉時代)などじっくり鑑賞。また日応寺不動明王立像・毘沙門天立像(重文)は奈良・小嶋寺伝来資料と伝承されることを知り、俄然、仏師の系統が気になる。
 地域史の中に栄西とその周辺を浮かび上がらせていく丁寧な作業成果を共有することで、各人の栄西像が転換したり豊かに肉付けされることだろう。地域博物館の存在意義を存分に発揮した良い展示。図録あり(104ページ)。

4月29日
島根県立古代出雲歴史博物館
・特別展 平成の大遷宮 出雲大社展 
(4月12日~6月16日)

 出雲大社の遷宮(本殿他修復)にあわせ、出雲大社(杵築神社)の造営の歴史、古代祭祀とオオクニヌシ、近世神道におけるその再評価を軸にして、社宝、社家伝来資料と県内外の神道美術を集めて展示。
 神仏習合や近世の神仏分離への言及は限定的であるが、国学による「古代の理想的な神道の発見」をオオクニヌシに絡めて(穏健に)提示しているのは誠実。
 なにより造営の歴史について、同館等の調査に基づく多数の新資料を交えて分厚く構成し、遷宮の歴史的意義を後支えしている点が意義深い。
 千家家所蔵の出雲大社并神郷図(重文)の景観表現の重要性を再確認し、北島家所蔵の白色尉(翁)の若々しい表情に見入る。千家・北島両家の出雲国造家分立が行われたまさにその時期、康永2年(1343)に、無本覚心弟子の孤峰覚明が神の夢告により袈裟を寄進している(北島家所蔵資料)。臨済禅が神と仏の接点として関わっていることを思い、前日の栄西にも思い致す。図録あり(288ページ、2000円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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