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展覧会・文化財を見てきました(「御調八幡宮と三原市の文化財展」ほか)

9月23日
広島県立歴史博物館
 特別展 時代を作った技-中世の生産革命-
(9月13日~11月4日)

 国立歴史民俗博物館との共同展示。中世における漆器・陶器・金属器・石製品などの技術的展開を、考古学的成果を中心にして幅広く提示する。自分の直近の研究課題にからむので、大分市・羽田遺跡出土の鉄釜鋳型、埼玉県坂戸市・金井遺跡B区出土の仏像鋳型、京都市・平安京左京八条三坊跡出土の鏡鋳型と刀装具鋳型に注目しながら鑑賞。鋳型をどのように作ったのかについてはあまり言及がなく残念だが、羽田遺跡鉄釜鋳型のシャープな仕上がりにうなる。研究の蓄積がそれなりにある、大工や仏師などの「生産革命」も見たかった(無い物ねだり)。図録あり(236頁、2000円)。歴博の研究プロジェクトによる成果であり、図録の多数のコラム、文献リストは便利。

福山自動車時計博物館
 個人のたっくさんの自動車や時計ほかのコレクションを、ぎっしりと展示。なにより、実機に乗って自由にさわることができ、古い車のハンドルやミッションを動かして楽しむ。子はパイパー・チェロキーに乗ってパイロット気分満喫(30分以上降りてこないし…)。廃棄されゆくさまざまな資料を、こうした形で収集し、公開し、そして身近に感じさせてくれる熱意ある活動に敬意。さまざまなポリシーに基づく、さまざまな博物館があることの健全さを、改めて感じる。

御調八幡宮収蔵庫・三原リージョンプラザ
 特別展 御調八幡宮と三原市の文化財展
(9月7日~10月6日)

 御調八幡宮の重文神像を中心に、市域の歴史を伝える重要資料を2会場で展示。重文指定品は展示環境の面から、御調八幡宮所蔵資料のみを同社収蔵庫で展示。神像は前後期で展示替えし、後期は最も古い女神像と男神像、天部形立像、僧形坐像の展示。
 9世紀前半~半ばの女神坐像は、残存する神像中最古例の一つ。これに並ぶ男神像は、作風の違い(仕上げも異なる)から9世紀後半の早い頃と置き、時期差を明確にして社史をうかがう指標とする。左袷であることも注意。ほか重文の獅子・狛犬、版木とともに、行道面をじっくり鑑賞。御調八幡宮にも初参拝し、神仏習合の痕跡が、結構残っていることに感動。
 山を越えて海に向かい、三原リージョンプラザに移動。御調八幡宮の男神坐像(県指定、伝藤原百川像)と釈迦如来坐像(南北朝)のほか、三原市域の優れた仏像群がずらり。善根寺保存会の日光・月光菩薩立像、香積寺地蔵菩薩立像、尾原相談会の宝冠阿弥陀如来坐像といった平安時代の魅力的な作例や、鎌倉時代の棲真寺二十八部衆像(うち阿修羅・乾闥婆)など、一堂に鑑賞できることのありがたさ。図録あり(112ページ、1000円)。

仏通寺
 再度山へ向かって車を走らせ、臨済宗仏通寺派大本山の仏通寺へ。清浄な山中に佇む別天地、という趣。仏殿参拝後、山を登って重文地蔵堂へも参拝。井上和夫『大本山仏通寺誌』(72ページ、500円)購入。昭和24年初版。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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