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展覧会・文化財を見てきました(サントリー美「飛天の美」、東博「是閑と河内」)

1月9日、溜まりに溜まった代休を消化して、上京。

早くに東京に着いたので、思い切って九品仏浄真寺を初参拝。同寺は延宝6年(1678)、珂碩上人の創建。来迎会で著名。珂碩が造像した丈六の九体阿弥陀像を拝観する。整った作風、大きな法量を含め、類例少なく近世彫刻史上に重要な位置を占めることを認識。珂碩造仏という伝は、宝山寺湛海と同様に、実作者が別にあるものであろうか。『九品仏縁起』(30頁、700円)購入。

続いて本日の主目的、サントリー美術館「平等院鳳凰堂平成修理完成記念 天上の舞 飛天の美」(11月23日~1月13日)、終了間際に滑り込む。平等院本尊阿弥陀如来坐像光背化仏、雲中供養菩薩を核に、飛天の表象を幅広く捉えて展観する。インド~朝鮮半島の飛天表現と、浄土美術の諸相をとらえる構成で、展示担当者の飛天や供養菩薩への深い知見をもととする。平等院の光背化仏はもとより、個人所蔵の山海恵菩薩・薬上菩薩坐像、埼玉・今宮坊飛天像、兵庫・国分寺雲中供養菩薩像と、初見資料を共有させてもらえ、ありがたい。特に、岩手・松川二十五菩薩堂の二十五菩薩及び飛天像をじっくりと鑑賞。その優れた立体表現を心に刻む。図録あり(184頁、2400円)。参考文献が充実。こうした参考文献リスト、完璧なものでなくていいから、どこも付けて欲しいなあ。

最後に東京国立博物館特集陳列「日本の仮面 能面 是閑と河内」(11月19日~2月16日)を鑑賞。館蔵能面の優品の中から、天下一是閑(出目吉満)と天下一河内(井関家重)の焼印が捺された仮面27面を展観。能面は写しによってその造形が継承されるが、近世初頭の面打の名人である是閑や河内の面自体も写されたため、焼印や知らせ鉋の有無だけで、真作か否かの判断が付かない難しさがある。それを踏まえて、造形の比較によって真作か否かまでを踏み込んで提示する、意欲的な展示。館蔵品で優品どうしの比較ができ、かつ造形そのものにクローズアップする視点がとれる東博ならではの強み。展示室中央に別置される天下一河内の十六は、繊細な造形と毛書きに優れた、気力充実した一面。トーハク(東博)でトーハク(等伯)のショーリンズ(松林図)も、じっくり見て帰る。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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