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展覧会・文化財を見てきました(金沢文庫、畠山記念館、江戸東京博)

2月23日、神奈川・東京方面での展示鑑賞の記録です。

神奈川県立金沢文庫
 特別展 中世密教と〈玉体安穏〉の祈り
(2月20日~4月20日)

 中世密教と王権が密接に結びつきあう実相を、天皇の身体護持(玉体安穏)という観点から、後七日の御修法、後醍醐天皇と護持僧文観、及びその他の諸修法にクローズアップして提示する。さまざまなアイテムにより構築された聖なる場、蓄積され継承される密教教学の理論、呪術的能力を相伝・獲得したと自他が認識する僧(シャーマン)の、それぞれが重なりあって効果を発揮する「儀礼」の構造が、一見難解な称名寺聖教という中世密教のタイムカプセルから浮かび上がる。
 「儀礼的」という言葉には形骸化の意も重なるが、「儀礼」が緊張感を持って受容された社会の実相を知り、「儀礼」の構造を考えることは、現代社会と「儀礼」の関係を考える視点の構築にもつながるように思う。
 護摩要抄、宝悉多陀羅尼経といった初公開の文観周辺聖教が注目。図録あり(64ページ、1000円)。展示中の聖教類など、図書室で写真を複写してもらって鞄に詰める。
 
畠山記念館
 千少庵没後400年記念 利休とその系譜
(1月18日~3月16日)

 千家二代少庵の没後400年に、館蔵の利休・少庵・道安・宗旦ほかの茶道具・書画を展示。利休作の象牙茶杓、利休所持の信楽共蓋水指、井戸茶碗銘江岑、兀庵普寧の法語、『松屋会記』の筆者松屋源三郎(久政)宛道安消息など。入り口につり下げられた、熊野本宮伝来の文明6年(1474)銘銅製吊燈籠をじっくり拝見。

江戸東京博物館
 特集展示 2011・3・11 平成の大津波被害と博物館-被災資料の再生をめざして-
(2月8日~3月23日)

 昨年、岩手県立博物館と昭和女子大学光葉博物館で開催された同名の展示を、会場を変えて再度開催。東日本大震災で被災した資料のレスキューと、その後の修復や安定化の作業を、実物とパネルで紹介する。歴史資料、考古資料、美術資料、昆虫標本、植物標本など、展示資料もさまざま。
 こうした展示は、資料を守り伝えることを使命として関わってきた多くの人びとの尊い活動の記録であり、またその活動理念の貴重な共有化の機会でもある。これからもなお続く安定化作業への理解や、また今後も発生するであろう災害時の対応を見据え、こうした機会がこれからも各地で、組織的、継続的に行われていく必要がある。図録あり(15ページ・380円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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