移民関連の展覧会鑑賞、和歌山県内2件。
2月28日
太地町石垣記念館
太地町歴史資料室特別展 海を越える太地
(2月1日~3月15日) 昭和の初め、人口約3800名の太地町からは、500名以上が出稼ぎのためアメリカ、カナダ、オーストラリアへ渡っており、そうした移民の人々の仕事や暮らしの様子を、遺品や写真から提示。横長のパノラマ写真にずらりと写った正装した老若男女に、移民先でのコミュニティ形成とその維持の重要性を感じる。図録は作製中との由。
3月7日
紀の川市歴史民俗資料館
企画展 アメリカ移民と那賀地方
(3月5日~3月30日) 紀ノ川中流域の那賀地方で、明治10年代からアメリカ移民が始まった実態を、写真やパスポート、手紙、トランクなど残された資料から展示。この展示の構築に際して、新たに移民について研究する那賀移民史懇話会が設立されており、そうした市民グループの高度で実践的な歴史研究が、地域の博物館で披瀝されることは大変すばらしい。移民のベースとして数多くの私塾で行われた高等教育を背景として提示している点は重要で、沿岸地域の移民とはまた異なる状況のあったことを知る。会期中に行われる梅田律子氏の講演会資料(A4・24ページ)が、そのまま展示図録といってよい水準で用意されている。
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