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展覧会・文化財を見てきました(慈光円福院・西山観音堂・福琳寺)

 和歌山県博友の会の仏像鑑賞のバスツアー随行。最初に博物館で1時間の講座「観音菩薩ってどんな仏さま?」を行ったのち、現地を訪ねる。
 慈光円福院(和歌山市)の十一面観音菩薩立像(像高149.3㎝・平安時代前期(9世紀)・重要文化財)は、カヤの一木から、頭・体の全て、右腕の大半、左手の肘までを彫りだした一木造の像。肩に垂れる髪、肩から腰へ巻き付く天衣など、遊離した部分の多くも同木。やや厳しい表情、たくましい体型、鋭い衣紋など平安時代前期の作風を示すもの。和歌山市内下和佐の慈光寺(和佐八幡宮別当寺)の旧本尊で、戦後、寺籍とともに移される。和歌山の平安初期彫像を代表する1躯。
 西山観音堂(紀の川市)の十一面観音菩薩立像(像高180.2㎝・平安時代後期(12世紀)・紀の川市指定文化財)は、ヒノキの一木から頭体を木取りし、前後に割り矧いで内刳りし、頭部も割り放した一木割矧造の像。肉付きのよい穏やかな体型は平安時代後期に通有のもので、表情や立体表現など、洗練された作風を示す。隣接する丹生神社の神宮寺であった普門寺伝来の仏像。あまり知られていないが、和歌山における平安後期観音像の秀作。
 福琳寺(紀の川市)の聖観音菩薩坐像(像高165.7㎝・鎌倉時代後期(13世紀)・紀の川市指定文化財)は、ヒノキの一木から頭体を木取りし、前後に割り矧いで内刳りし、頭部も割り放した一木割矧造の巨像。張りのある面貌、引き締められた体躯の表現など鎌倉時代、13世紀後半ごろの作風を示す。大きな光背と蓮華座も造像当初のもの。像内に仏師名があり、法橋定祐と読めそうで、いろいろ興味深い。本来弥勒菩薩として造像された可能性あり。これだけの大作であるが、ほとんど知られていない。住職も、今まで拝観に来る人ありませんでしたなあ、とのこと。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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