4月19日の展覧会鑑賞。
大阪市立美術館
特別展 山の神仏 吉野・熊野・高野 (4月8日~6月1日) 紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録10周年の記念展。吉野・熊野・高野の各地域に伝わる仏像・神像・仏画を集め、その神仏習合の宗教的空間を提示する。特に吉野の修験道関連資料と熊野の熊野曼荼羅図が充実。櫻本坊の大峯八大童子立像(南北朝~室町時代)、吉野水分神社の洗練された獅子・狛犬(鎌倉時代)は、新資料として重要。図録あり(248頁、2300円)。高野山と熊野のパートは、和歌山県博の調査研究の蓄積が最大限に活用されていて、地域博物館の役割をしっかりはたしてきたなあと振り返りつつ感慨。担当して開催する、今秋の和歌山県博「熊野」展もがんばらねば。
あべのハルカス美術館
開館記念特別展 東大寺 (3月22日~5月18日) あべのハルカス美術館の開館記念展。新美術館(およびハルカス)の「誕生」ということで釈迦誕生仏や華厳五十五所絵巻・華厳五十五所絵など華厳経における童子像をとりあげているだけでなく、東大寺の創建・再建に携わった歴代の高僧を丁寧に紹介し、また五劫思惟阿弥陀如来坐像など永遠と思える時間の流れをも示唆させ、隠れたメッセージとして「叡智」「情熱」「永続性」などを、東大寺の歴史と重ねながら提示。世界最大の木造建造物も、日本最大のビルも、叡智と情熱と資金の結集がなければなしえない工作物であり、そうした点で、重源像や公慶像の象徴性をもっともっと前に押し出してもよかった、とも思う。図録あり(152頁、2000円)。
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