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展覧会・文化財を見てきました(安土城考古博物館「安土城への道」・湖東三山秘仏公開・愛荘町立歴史文化博物館「文化財にかける技とねがい」)

5月31日、一路滋賀へ。
滋賀県立安土城考古博物館
 特別展 安土城への道-聖地から城郭へ
(4月26日~6月15日)

 滋賀県における戦国期の城郭が聖地・霊山に築城されている事例があることから、「城」に地域支配における宗教的権威を象徴的にまとわせ、信長・秀吉など戦国武将の神格化もこうした状況を背景にする、とする魅力的な仮説を展示を通じて示す。そうした趣旨のため、城郭立地地と強く関わる寺社の仏像・神像が多数出陳。庵寺観音講大日如来坐像(9c)、成願寺薬師如来坐像(12c)、矢川神社神像群(11c~14c頃)、百済寺弥勒菩薩坐像(8c)、日牟禮八幡宮神像群(11~13c)などなど。考古資料・美術資料・地理的環境を素材にして地域史を読み解く、意欲的な試みといえる。図録あり(112頁、1300円)。

湖東三山(西明寺・金剛輪寺・百済寺)
 びわ湖湖東三山・三山同時公開 秘仏本尊ご開帳
(4月4日~6月1日)

 湖東三山の秘仏本尊同時ご開帳に、期間ぎりぎりで滑り込む。百済寺本尊の十一面観音立像は、近時の報告により飛鳥時代後期まで遡りうると判断された、像高234㎝の巨像。7cの木彫像研究は比較作例が限定されるが、渡来系氏族の寺院であると仮定すれば、たいへんに興味深い作例。西明寺本尊の薬師如来立像は、平安時代後期の造像ながら、やや厳しい顔付きに前代の余風も漂う。金剛輪寺本尊の聖観音菩薩立像は平安時代後期の鉈彫り像。行者系彫像ゆえの聖性・霊威をまとう。それぞれ本堂内の諸尊像もあわせて拝観。満喫。

愛荘町立歴史文化博物館
 特別展 文化財にかける技とねがい-保存修理の成果-
(4月19日~6月1日) 

 金剛輪寺参道の同館展示に、会期終了間際に滑り込み。文化財修理や保存について、その理念や技術を実作例や道具等から紹介。金剛輪寺十二神将像は、現在剥落止め等の修理継続中であるが、修理前の像、修理中の像、修理後の像をそれぞれ展示して、修理状況を分かりやすく提示する。ほか檜皮葺の技術や道具、窒素置換低酸素濃度処理法の紹介、根津美術館本胎蔵曼荼羅(金剛輪寺旧蔵)の復元模写、西光寺仏涅槃図修復についてなど、盛りだくさん。高水準の修復や模写に関わって着々と事業を進めてきた博物館及び町・町教委の丁寧な仕事ともに、それを展示や図録で紹介し広く共有化される同館の高い見識に、背筋が伸びる思い。図録あり(32頁、1000円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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