FC2ブログ

Entries

福岡市立博物館「九州仏」、九州歴史資料館「福岡の神仏の世界」鑑賞記

福岡市博物館
 特別展 九州仏-1300年の祈りとかたち-
(10月12日~11月30日)

 九州に伝わる仏像(福岡35件・大分10件・佐賀9件・長崎5件・熊本12件・鹿児島5件)を広く集めて展観。冒頭に展示される大分県の天福寺奥院諸尊像、福岡県の謹念寺・観世音寺・長谷寺・浮嶽神社の諸尊像、佐賀県山崎観音堂の観音菩薩像や長崎県・対馬の法清寺観音堂諸尊像といった8~10cの木彫像群が一つの見どころ。その他、平安時代後期の兜を別材製とする神将形像や鹿児島県・隼人塚などの石造品の文化、鎌倉時代後期の「唐様」を取り入れた仏像、そして中国・朝鮮半島から伝来した仏像と、九州の仏像を把握する際の一つの指標となる地勢的な要因による「中央との距離」あるいは「国外との接触」という問題を濃密に追求しながら、豊かで魅力的な地域性を、作例を通じて示す。九州各県において積み上げられてきた仏像研究における、現時点での成果と課題を広く共有する貴重な機会。図録あり(256ページ、2500円)。
 同行した子は、1階の資料に触れる体験コーナーで、あれこれ見て喜ぶ。ちょっと行儀悪くてひやひや。

九州歴史資料館
 特別展 福岡の神仏の世界-九州北部に華ひらいた信仰と造形-
(10月10日~11月30日)

 九州歴史資料館のこれまでの着実な調査研究活動によって把握されてきた、福岡県内に伝わる古代~中世の仏像や神像の重要作例を新出資料も含んで展示し、かつそれらが伝来した信仰の場の風景を、資料を通じて「物語る」内容。個人所蔵となる男神立像(像高50.4㎝、展示では9c)は、制作時期は幅を持って見ておきたいが、立像神像の初期作例であり、今後の神像研究の上で重要な位置を占めるもの。伝来の追求が待たれる。ほか、若杉霊峰会千手観音像、谷川寺薬師如来像、浮嶽神社如来形像、鹿部観音堂聖観音像といった9~10c彫像群はやはり存在感があって「九州仏」の魅力を示し、大祖神社・飯盛神社の宋時代の石造獅子や朝鮮半島伝来の古代~中世の金銅仏など地域性を明確に示す重要資料も展示。九歴と福岡市博の展示テーマが同時期に重なったのは偶然のようであるが、伏流する大きな問題意識は共通していて、九州地域における仏像研究の最前線を体感できるよい機会。図録あり(140ページ、1000円)。巻末、福岡県指定文化財(彫刻)の一覧は写真も付随し便利。
 同行した子は、体験コーナーでボランティアのおじさんに優しく教えてもらって瓦の拓本をとっていたが、次の目的地に行くためばたばたとしたため、どこかに置き忘れてしまいしょんぼり。

筑前町立大刀洗平和記念館
 戦前・戦中に大陸への中継基地、あるいは飛行兵等の養成所であった、広大な大刀洗飛行場の故地に設けられた施設で、戦闘機の実機2機が修復展示される。ホールで行われていた映像の上映と絵本『ほたる』(山本真理子作)の朗読を聞く。犠牲になった人々への哀悼の思いの大切さと、犠牲的行為を美化し消費することの恐ろしさについて子と話す。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/670-db6d7c84

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

月別アーカイブ

ブログ内検索