FC2ブログ

Entries

京博「京へのいざない」、大津歴博「三井寺 仏像の美」、三井寺秘仏御開帳鑑賞記

京都国立博物館
 平成知新館オープン記念展 京へのいざない
(9月13日~11月16日)

 新館開館記念展に、ようやく滑り込む。彫刻室の広さに驚く(ライティングと照度確保には苦労しそう)。館蔵品、寄託品の名宝が分野別の各部屋にずらりと並んでいるようすは、なぜだか旧館の展示室を経巡った記憶ともリンクして、京博が帰ってきたなという感慨を抱く。特別展「修理完成記念 国宝 鳥獣戯画と高山寺」は入場3時間待ちだったのであきらめ、図録(192ページ、2600円)だけ購入。丙巻合い矧ぎのことなどふむふむと読む。

大津市歴史博物館
 智証大師円珍生誕1200年記念企画展 三井寺と仏像の美
(10月11日~11月24日)

 智証大師生誕1200年の記念に、三井寺の法会と連動して開催。三井寺及び周辺地域に所在する仏像や仏画を集約。唐院長日護摩堂本尊の不動明王坐像は、鎌倉時代前期の優れた作例で、銅製装飾も古い。湛慶周辺の不動明王表現の基準を見る思い。乾漆宝冠釈迦如来坐像は、中世においては特殊な素材で造られ、法量も大きく、唐様の表現も洗練。中世捻塑像の系譜を考える上で、はずせない作例。乾漆仏はもう1躯、三井寺周辺寺院の菩薩坐像(明時代)も展示。絵画は中世仏画の新資料とともに、冷泉(岡田)為恭の写した黄不動像や、法明院伝来の粉本など、近世絵画も多く出陳。古代、中世の作例はもとより、近世の仏像・仏画にもきちんと目配りして紹介している点は、三井寺における信仰史の連続を美術資料を通じて示そうとするものであって、重要な取り組み。仏画については、ミニ企画展「三井寺の近世仏画」(10月15日~12月7日)を合わせて開催。図録あり(160ページ、1500円)。ミニ企画展の出陳資料も図録には掲載される。

三井寺
 天台寺門宗宗祖智証大師生誕1200年慶讃大法会
(10月18日~11月24日)

 慶讃大法会の事業として、絶対秘仏の本堂本尊を除く、山内の秘仏が御開帳。智証大師御廟の唐院では、内陣3つの厨子が開扉され、智証大師坐像(中尊大師・国宝・10c)、智証大師坐像(御骨大師・国宝・9c)、黄不動尊立像(重文・13c)を拝観。感動。観音堂でも、内陣3つの厨子が開扉され、如意輪観音坐像(重文・10c)、愛染明王坐像(重文・12c)・毘沙門天立像(13c)を拝観。また新たに建設された三井寺文化財収蔵庫では聖観音立像(重文・9c)、訶梨帝母坐像(重文・13c)、智証大師坐像(重文・13c)と勧学院客殿襖絵(重文・17c)ほか。中世・近世の建造物も眺めながら山内を巡る。大津歴博の展示と合わせて、絶対秘仏の本堂本尊と新羅明神像を除いて、三井寺の仏像の大半を拝観。充実。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/673-aac72927

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

月別アーカイブ

ブログ内検索