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多摩美術大学美術館「四国霊場開創1200年記念 祈りの道へ-四国遍路と土佐のほとけ-」鑑賞記

多摩美術大学美術館
 四国霊場開創1200年記念 祈りの道へ-四国遍路と土佐のほとけ-
(11月22日~1月18日)

 四国霊場開創1200年記念として、高知県所在の仏像を多数展示。また四国遍路の歴史も紹介。名留川観音堂仏像群のうち菩薩形立像のうち1号像は量感のある10世紀彫像で、板光背が附属する。3号像は背面材内面に如来形の伸びやかな線描があり、御衣木加持の痕跡を示す貴重な事例。儀礼とその後の造像の息づかいが甦るよう。金林寺仏像群のうち菩薩形立像1号像は面部が表されず湾曲面に木釘痕があり。特殊な面部別材矧の手法か(当初か後補かの問題もあり)。定福寺の笑みを浮かべる像を含む魅力的な六地蔵尊は会期中に年輪年代測定がなされ、うち1躯に1185+αの層ありと判定。平安後期風を強く残す鎌倉時代前期の造像。表現様式とも齟齬せず。ほか、笹野大日堂大日如来坐像、上郷阿弥陀堂阿弥陀如来坐像といった鎌倉初期の優品や、銅製棒を踵に挿して立つ仏足文を有した竹林寺阿弥陀如来立像は13世紀半ばごろの作例で、銅製螺髪・歯吹きとしないタイプ。等々、美術史研究上も、地域史研究上も重要な作例を多数集めた意欲的な内容で、文化財を通じて高知の風土の魅力がひしひしと伝わってくる。先に閉幕した四国4県の四国へんろ展とも接続する、すばらしい内容。図録あり(262ページ、2000円)。
 展示見学後、内閣府へ移動してレクチャーを受けたのち、総理大臣官邸へ。平成26年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰の授賞式に出席し、当方が担当してきた和歌山県博のさわれるレプリカとさわって読む図録作りに対して内閣総理大臣表彰を授与される。最初で最後の総理官邸だろう。ミュージアムがあらゆる人々にとって使いやすい場所となるための取り組みが、他施設にも広がってくれるとうれしい。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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