FC2ブログ

Entries

東寺宝物館・龍谷ミュージアム・京都国立博物館・高槻市立しろあと歴史館展覧会鑑賞記

東寺宝物館
 開館五十周年記念 東寺名宝展-国宝両界曼荼羅図と祈りのマンダラ-
(3月20日~5月25日)
 国宝両界曼荼羅(前期:胎蔵曼荼羅、後期:金剛界曼荼羅)の公開を軸に、曼荼羅に関わる聖教類を展示。弘法大師請来目録(重文)、胎蔵曼荼羅略記上・下(重文)、真言七祖像(国宝)のうち龍猛像(後期:龍智像)や、巨大な元禄本両界曼荼羅図(複製)も。リーフレットあり(8ページ)。

龍谷ミュージアム
 特別展 聖護院門跡の名宝-修験道と華麗なる障壁画-
(3月21日~5月10日)
 初代熊野三山検校・増誉の900年遠忌にあわせ、聖護院と本山修験宗寺院の文化財を集める。彫刻では、院政期の不動尊中屈指の名作である聖護院本尊の不動明王立像(11c、重文)と、その模刻的な性格を持つ積善院不動明王立像(12c、重文)、彩色と截金が優美な峰定寺不動明王二童子像(久寿元年[1154]、重文)、珍しい風貌の伽耶院不動明王立像(10c)など、多様な不動明王像を集める。また、書院の近世障壁画(襖絵)を、展示室の限られた空間内に縦横にケースを組んで、その空間構成を再現しつつ展示。増誉以来、修験の中枢をなす重要な権門であり続けた聖護院の宗教的位置を示すとともに、絢爛豪華な近世美術から門跡寺院としての一面も明示して、聖護院門跡の実像を紹介する好企画。近年、永らくの整理作業が完了した聖護院の古文書は、京都文化博物館「聖護院門跡の名宝-門跡と山伏の歴史-」(3月21日~5月10日)で展示。図録あり(206ページ、2400円)。

京都国立博物館
 特別展観 天野山金剛寺の名宝
(3月4日~3月29日)
 大阪府河内長野市の金剛寺に伝来する彫刻・絵画・聖教・典籍・工芸のさまざまな文化財を、指定品を中心に集約。同寺金堂本尊大日如来坐像(重文)、脇侍不動明王坐像(重文)の修理後の公開にあわせた企画であるが、延喜式(国宝)、延喜式神名帳(国宝)、剣(国宝)、日月山水図(重文)、腹巻及膝鎧(重文)、五秘密曼荼羅図(重文)、などなど、会期が短く、図録も作成されないのがもったいないくらいの大盤振る舞い。大日如来坐像台座附属の獅子6躯(平安時代後期)は形状が多様で、獅子・狛犬表現との比較の上でも興味深い。大黒天立像は像内銘のファイバー調査で南北朝時代初期、慶春の作と判明。リーフレットあり(4ページ)。

高槻市立しろあと歴史館
 企画展 人とほとけのきずな-平安の名宝とさまざまな仏像たち-
(3月14日~5月17日)
 高槻市内の自治会や講で守られてきた仏像等を集め、村のくらしと密接に結びついた信仰の歴史に注目して提示する。山手町自治会所蔵の薬師如来坐像は、等身大で、穏健な作風ながら、古様を残す11c初めごろの堅実な作例。普段お腹の上に置かれる小さな如来立像多数もともに展示。田能自治会所蔵の、樫船神社神宮寺安置の大日如来坐像(胎蔵界)は、等身大、典型的な定朝様の作例で、12c後半の作とみられるが、社伝では貞応元年(1222)作ともするもよう。氷室自治会旧蔵(館蔵)の尼藍婆坐像は、一木より全身を彫出した平安時代(10c~11cごろ)の作例。成合春日神社所蔵の雨乞い祭具のうち龍神像は、龍の頭部が、鎌倉~室町時代の龍頭形竿頭飾を転用して制作された興味深い事例。また、慶瑞寺菩薩坐像(重文)が特別出品。カヤの一木から両脚部を含み全身を彫出した端正な作風の、9cの代用檀像。寛文5年(1665)に後水尾法皇より念持仏の香木観音が慶瑞寺の龍渓性潜に寄進された由。重要な伝来情報。図録あり(54ページ、400円)。
スポンサーサイト



この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/683-b78f49d1

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

月別アーカイブ

ブログ内検索