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八尾市歴史民俗資料館「八尾地蔵常光寺」、京都国立博物館「日本の仮面」鑑賞記

6月15日
八尾市立歴史民俗資料館
 大坂夏の陣400年記念特別展 八尾地蔵常光寺
(4月25日~6月15日)

 最終日に滑り込む。八尾郷の中核寺院である常光寺の文化財を公開。本尊の秘仏地蔵菩薩立像は寺外初公開。等身大の、鎌倉時代後期~南北朝時代初期ごろの作例。鎌倉時代前期~中期ごろの堅実な出来映えの毘沙門天立像は、常光寺中興の以心崇伝(金地院崇伝)が一刀三礼して造り、徳川家康の武運を祈ったとする縁起が付随する。以心崇伝により同寺へ移された仏像かもしれない。ほか中世文書など多数。こうした展示を通じて、地域の拠点寺院の歴史を容易に把握できることのありがたさ。図録あり(72ページ、500円)。いつも細かく史料翻刻がなされていて、丁寧。

6月16日
京都国立博物館
 特集陳列 日本の仮面 人と神仏、鬼の多彩な表情
(6月9日~7月20日)

 同館に収蔵されるさまざまな仮面34面をずらりと展示。東寺伝来の十二天面は10世紀に遡る希有な仮面群。ほか行道面では、丹後国分寺の毘沙門天面、桑野本区の菩薩面、久留美神社の王舞面など。翁面は瞼に深い皺が表され、歯が上顎側が左、下顎側が右にのみ表された不思議な表現のものが展示。大きさも大ぶりで、形式化しておらず重要。解説によれば「和歌山橋口の伝来」とのことなので、貴志荘橋口家伝来の伝承が付随するもよう。橋口家仮面伝承は雨を求めて淵の主を退治すると水中より仮面3面が浮かび上がったとするもので、古様な翁面と雨乞い習俗の重なりは極めて興味深いもの。文明7年(1475)銘の猿べし見は、右衛門大夫幸重の作。同じ作者による文明11年(1479)制作の阿吽の鬼神面が宮崎・えびの市の菅原神社にあり、作風も一致する。仮面が語ってくれる微かな歴史に耳を澄ましながら鑑賞。リーフレットあり(A4・4ページ)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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