奈良国立博物館
開館120年記念特別展 白鳳-花ひらく仏教美術-
(7月18日~9月23日) 近年、政治史の区分により飛鳥時代後期と捉え直され、用語として用いられなくなった「白鳳時代」(7c半ば~710年)の仏教美術を一堂に集め、文化史上の区分としての「白鳳」という枠組みの意義を展示を通じて再検討する。
薬師寺の聖観音立像(国宝)、薬師三尊像のうち月光菩薩立像(国宝)、東塔相輪水煙及びサツ銘(国宝)という白鳳-天平論争の核となる作例を中心に、膨大な金銅仏・木彫像・塑像・セン仏・押出仏、軒丸瓦・軒平瓦、金属工芸、絵画資料などを集約して白鳳仏・白鳳美術の多様な素材・表現(南北朝~隋唐様式の影響による童形像からインド風の作例まで)の展開を提示することで白鳳様式の独自性を明示し、それにより薬師寺金堂薬師三尊像を白鳳様式のなかに位置づけるという、長い長い論争に正面から立ち向かう挑戦的な展示。
時期区分としては飛鳥時代後期ということであっても、様式の独自性を区分する用語として美術史・建築史・考古学で使用されてきた「白鳳」の有効性は今日的課題の上においても十分に検証されたといえ、白鳳様式へのまなざしを広げる本展開催の意義は大きい。個人研究ではなく、機関研究としてこそこうした大きな問題に総合的に取り組むことができるといえ、仏教美術史研究の上で奈良博の果たす役割は、やはり大きい。
林立する仏菩薩の中を歩いていると、美術史の歴史が、また一つの区切りを迎えたその一場面に立ち会っているという実感がわき上がる。美術史学徒はぜひお見逃し無く。図録あり(298ページ、2300円)。
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奈良国立博物館では現在、「白鳳-花ひらく仏教美術-」と題する特別展が開かれています。
7世紀の白鳳美術の展覧会で、多くの入場者がいました。
仏像がいっぱいありましたよ。
画像なしで内容を説明するのは難しいので、興味のある方はリンク先でご確認ください。←いつもの作戦ですな。
博物館の隣にある建物は、青銅器館です。
古代中国の青銅器がたくさん展示されてます。
何千年も前に...
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