京都国立博物館
特別展観 第100回大蔵会記念 仏法東漸-仏教の典籍と美術-
(7月29日~9月6日) 京都・滋賀の諸本山、仏教系大学、京博のコレクションを駆使して、経典、聖教、祖師の墨蹟、法脈のつながりを示す名宝ばかり、平成知新館1階の彫刻を除く各室にずらりと展観。凡夫(すなわちあらゆる人)にとって、仏宝の存在は、これら法宝と、それらを伝え受け継ぐ僧宝によってしか認知されない。大蔵会はまさしく経典を通じた仏教の顕彰であり、教学の場が集中する京都ならではの催し。自分の直近の仕事に関わる弘法大師関連資料をありがたく拝見。展観にあわせて2階でもテーマを揃えて「京都諸本山の仏画の名宝」「京都諸本山の中国仏画」「禅僧の肖像画-頂相-」「御仏の救済-地獄と浄土-」(全て8月11日~9月13日)を開催する充実ぶり。図録なし。残念。
龍谷ミュージアム
企画展 三蔵法師 玄奘 迷いつづけた人生の旅路
(8月11日~9月27日) 三蔵法師玄奘の事績とその顕彰の歴史を、玄奘の天竺(インド)への求法の旅路、その後の膨大な翻訳作業、そして没後の聖人化のあり方を通じて紹介する。断片も含むが敦煌写経やサンスクリットの法華経、ゾグド語法王経など龍大のコレクションを活用して玄奘の見た景色を偲ばせるほか、沙悟浄や猪八戒ほかのキャラクターを使ったパネルや、五天竺図を拡大して床に貼り玄奘の旅路を図示するなど、玄奘三蔵を身近に感じるための工夫を凝らす。また大般若経の請来、訳出とその信仰の広がりのあり方を、釈迦十六善神像、深沙大将像を集めて紹介。見る機会の少ない特殊な玄奘三蔵十六善神図(釈迦三尊の代わりに中央に玄奘三蔵と深沙大将が並ぶ)もまた、大般若経転読の際に使用されたものであろうか。「唐三蔵法師玄奘奉詔訳!調伏一切大魔最勝成就!」と修法の際に訳出者の名が叫ばれる経典は他にはない。図録は薬師寺による発行の『玄奘三蔵と薬師寺』(144ページ、1800円)。龍谷ミュージアム独自の選定資料は未掲載で、根幹部分の展示は今後巡回の由。次会場は平山郁夫美術館「玄奘三蔵と薬師寺の宝物」(10月3日~12月6日)。
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