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歴史に憩う橿原市博物館「顔、カオ、かお」、橿考研附属博物館「人物埴輪創生期」

歴史に憩う橿原市博物館
 企画展 顔、カオ、かお-顔面表現の考古学-
(10月10日~11月29日)

 顔が表現された考古資料を集める。桜井市大福遺跡出土の仮面状木製品は、全体の3分の1を残す板に片方の眼と紐穴があり、下方の欠損部分を口の輪郭の一部と見なされている。上部の縁を削る加工痕があり、やはり鋤等の転用か。コウヤマキ製で2世紀後半。最古の木製仮面と思うけれど、表記ないのであっさりと展示。奈良市菅原東遺跡出土の仮面は室町時代のものと報告される。土中して変形したのか、現状では板状で、鼻は欠落して穴があき、顎は切顎にみえなくはない。額に皺は確認できる。黒色尉といえばそうであるけれど、遺構の性格が分からないと位置付けが難しい。ほか頭蓋骨とそれからの複顔の資料など。図録なし。

奈良県立橿原考古学研究所附属博物館
 特別展 人物埴輪創生期-人のかたちの埴輪はなぜ創られたのか-
(10月3日~11月23日)

 人物埴輪の発生と展開に関する研究の最先端を、関西圏の重要資料を一堂に集めて提示。盾埴輪から、武人をともに表した盾持埴輪への展開の中で、人物埴輪が成立したことを明確に示し、その最初期の遺物である桜井市・茅原大墓古墳出土の盾持埴輪を展示。西暦370年前後の製作とされ、形式化していない初発性の高さを指摘する。入れ墨(or化粧)を施した板状の面部は、飛躍するようだが、縄文時代の土面と表現も製作技法もかなり近いように見える。橿原市・四条2号墳の力士埴輪(西暦475年ごろ)は、耳の造形がかなり具象的。大和高田市・池田9号墳の靫負埴輪(西暦475年ごろ)でも頭髪や美豆良のかたちの再現性は高い。眼・口を穴で表現するという形式が強固であって画一的に見えるが、耳や鼻には個性がでるもよう。埴輪製作者の顔貌表現へのまなざしは、人物埴輪発生からの100年間で随分進化していることを理解する。図録あり(104ページ・700円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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