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東大寺ミュージアム、天理参考館、そして三津寺特別公開

東大寺ミュージアム
 特集展示 二月堂修二会
(2月6日~3月21日)

 修二会の期間に合わせた特集展示。寛文7年(1667)の火災で破損し、このたびの修理で裏側の線刻も見られるようになった二月堂本尊光背(銅造舟形光背)や、火災後に直ちに用意された大画面の二月堂再建地割図(梁行図、桁行図)、紺紙金字華厳経(二月堂焼経)から、二月堂の回録史を紹介。あわせて、二月堂修中練行衆日記の昭和19年(1944)分をチョイス。修二会の最中に練行衆3人に召集令状が届き、応召のため行を離脱するようすが淡々と記される。人類の過去への悔悟を提示することも、まさしく観音への悔過行法であると、背筋が伸びる。
 特別展示の「旧眉間寺本堂の仏像」(~3月末日までの予定)では、勧進所阿弥陀堂の修理期間に合わせ、安置されている眉間寺旧蔵の薬師・釈迦如来坐像と、同じく眉間寺旧蔵の阿弥陀如来坐像の三体を、かつて眉間寺本堂に並んでいたように復元展示。阿弥陀如来は衲衣の下にもう1枚衣が見える古典復古像。それぞれ台座も古いものが残る。眉間寺旧蔵と判明している仏像は古く重要なものが多い。ありし日の眉間寺をしのぶ絶好の機会。

天理大学附属天理参考館
 教祖130年祭特別展 天理参考館の珠玉
(1月5日~3月14日)

 天理参考館のコレクション中の優品を紹介。ササン朝の鍍金銀製聖樹水禽文八曲杯やガラス製円形切子碗、唐時代の加彩鎮墓獣、金張り海獣葡萄鏡、朝鮮半島三国時代の金製品、ブルキナファソの儀礼用仮面、コンゴの呪術人形、チベットのタンカ等々。新宗教の世界布教を背景に収集された資料群であるが、常設展示でも台湾の先住民関連資料、パプアニューギニアの精霊面・祖霊面・神像など、新規にコレクションすることが今となっては不可能な世界の優れた資料がずらり並ぶ。奇跡の民族学・考古学博物館といつも思う。

三津寺
 三津寺仏像群初公開-非公開の大阪市指定文化財特別公開-
(3月10日~3月15日)

 大阪市中央区心斎橋、ミナミの繁華街の中に建つ三津寺の仏像を初公開。本堂安置の地蔵菩薩立像は量感と森厳さを残す平安時代、10世紀の注目される作例。ほか毘沙門天立像(11c)、大日如来坐像(12c)、聖観音坐像(11c)といった平安時代彫像のほか、室町時代~江戸時代の仏像も多数。神仏分離の際に移された生玉宮寺(生国魂神社)の一坊である持宝院の仏像が伝わることも貴重。豪華な内陣の文化5年(1808)建立の本堂、そびえるような優れた外観の昭和8年(1933)建立の庫裏も含め、奇跡的に空襲被害をまぬがれたことで残された地域の歴史の貴重な痕跡を、ありがたく共有化させていただく。大阪市教育委員会主催事業。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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