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東京藝大美術館「バーミヤン大仏天井壁画-流出文化財とともに」、東博「新指定 国宝・重要文化財」「黄金のアフガニスタン」「黒田清輝」

5月2日、東京上野へ。
東京藝術大学大学美術館
 アフガニスタン特別企画展 素心 バーミヤン大仏天井壁画-流出文化財とともに-
(4月12日~6月19日)

 アフガニスタンの内戦により流出し日本国内で保護された「文化財難民」と、バーミヤン東大仏天蓋部の太陽神壁画を復原して公開。フォラディ石窟、バーミヤン石窟の壁画片、ハッダ他の仏像片、ベグラムのガラス器、カピサの石仏など。太陽神壁画は、臨場感ある見事な復原で、バーミヤンの現地に立ったような感慨を受けるとともに、偉大な文化遺産を失った喪失感に包まれる。共同体の記憶である文化財(文化遺産)を守ること、取り戻すことの意味を、心に強く訴えかける意義ある展示。図録に相当するものとして『アフガニスタン流出文化財報告書-保護から返還へ-』(152ページ)が、流出文化財保護日本委員会への1000円以上の寄附で入手可能。

 藝大コレクション展-春の名品選-
(4月2日~5月8日)

 恒例、春の名品選。バラエティーに富む作品群がずらり。月光菩薩坐像(奈良時代)、浄瑠璃寺吉祥天厨子絵(建暦2〔1212〕)、小野雪見御幸絵巻(鎌倉時代)、繍仏裂(白鳳時代)をしっかり見る。図録なし。

東京国立博物館
 特集 平成28年 新指定 国宝・重要文化財
(4月19日~5月8日)

 吉例、新指定文化財展。本館8室・11室に分けて、広々と展示。浄山寺地蔵菩薩立像、尊延寺降三世軍荼利明王立像、京博十大弟子立像、汾陽寺仏涅槃図、大宝院弘法大師像といった初めて見る資料に心躍るのが、新指定展の醍醐味。和歌山関連として、法住寺不動明王坐像(天野社伝来)、大日山35号墳出土品、紀伊国井上本庄絵図もチェック。新指定文化財の目録あり。

 特別展 黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝-
(4月12日~6月19日)

 内戦による混乱の際に“秘密の隠し場所”に避難させて守られた、アフガニスタン国立博物館の重要資料が表慶館に並ぶ。ティリヤ・テペ出土の膨大な金製品、王城ベグラム出土の象牙製品などずらり。ティリヤ・テペ4号墳出土のインド・メダイヨンは、表に獅子、裏に転法輪を転がす人物を表した、紀元前1世紀のメダル。そのモチーフから最古の釈迦像かといわれるもの。展示の最後に、アフガニスタン流出文化財をのうちアイ・ハヌム出土のゼウス神像左足断片、バーミヤン石窟の壁画片など展示。図録あり(260ページ、2500円)。

 特別展 生誕150年 黒田清輝-日本近代絵画の巨匠-
(3月23日~5月15日)

 生誕150年記念の、決定版黒田清輝大回顧展。《読書》《夫人像(厨房)》《湖畔》《智・感・情》《寺島宗則像》《野辺》など代表作を時系列に並べ(《智・感・情》だけ最終室に拝殿状の特別な空間を設けて展示)、デッサン、習作、同時期の関連作品を配して文脈を構築して各作品の意義を明確にする、正統派美術史展示。東文研から東博に移管された黒田記念館の資料をフル活用しつつ、国内美術館等の資料を集めるとともに、オルセー美術館からコラン《フロレアル》、ルパージュ《干し草》、ミレー《羊飼いの少女》が特別出品。図録あり(316ページ、2500円)。レゾネ的な資料集として重宝しそう。

東京都美・若冲展は朝一で80分待ちだったので諦めました。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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