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京都国立博物館「丹後の仏教美術」鑑賞記

京都国立博物館
 特集陳列 丹後の仏教美術
(7月26日~9月11日)

 京丹後市・宮津市の文化財を中心に、丹後地域の仏教美術の一端を紹介。展示の核は縁城寺秘仏本尊千手観音立像の出開帳。10世紀後半のほぼ等身像で、随所に古様を残す平安中期の作例。頭上面を表さずに宝冠を被る特殊な姿。同寺の大日如来坐像は鎌倉時代後期の作例で、未出陳ながら台座・光背も当初のものが残る。同じく阿弥陀如来立像は像高35.4㎝、雲上に乗る来迎像で、鎌倉時代中~後期の作例。未出陳であるが本像を納める春日厨子も鎌倉時代後期までさかのぼるもの。同像は麻呂子親王の感得像で安徳天皇の念持仏となっていたのを後藤実基が縁城寺に寄進したとする壮大な伝承が付随する。また賓頭盧尊者坐像は本展調査で平安時代後期の聖僧像と判明。金剛心院地蔵菩薩立像(鎌倉時代)のCT調査の最新成果も提示され有
益。また板列八幡神社の女神坐像2躯は八幡三神像の両女神像と想定される11c初ごろの重要資料(岡直己『神像彫刻の研究』によればかつて同社には僧形像(伝仁海僧正)があったという)。鑑賞時にはすでに展示期間を過ぎていたが(~8/28)仏画類も多数公開。京都の歴史的・文化的魅力を伝えるという京博の地域博物館としての一面が十全に活かされた展示。図録あり。

 名品ギャラリー「若狭国と絵巻」「浄土教信仰の名品」
(8月30日~10月2日)

 「丹後の仏教美術」の絵巻・絵画類が撤去された後に、京博収蔵の名品ずらり。前者では修理成った京博の若狭国鎮守神人絵系図のお披露目展示。後半に並び描かれる神人像を、神像研究の立場からじっくり鑑賞。いろいろ着想を得る。後者では峰寺聖観音像、個人蔵如意輪観音像の平安仏画、興福院阿弥陀聖衆来迎図、清凉寺迎接曼荼羅(正・副2本)、京博閻魔天曼荼羅図など、重要資料を並べる。眼福。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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