10月31日
奈良県立美術館
企画展 雪舟・世阿弥・珠光… 中世の美と伝統の広がり
(10月15日~11月27日) 禅宗を思想的背景として形成された中世文化の諸相を、館蔵品・寄託品を活用して、水墨画、茶の湯、能の切り口より紹介。冒頭に永享2年(1430)椿井集慶作、画僧周文彩色の達磨大師坐像がお出迎え。室町時代の奈良仏師の、新様(唐様)を取り入れずに鎌倉時代様式を継承し続ける伝統は強固であり、足利将軍発願で達磨大師像で周文彩色でもそうなのだから徹底している(興福寺の仏所として作風の融通性は必要がないともいえるが、やはり周文と椿井仏師が組んだ雲居寺大仏ではそれで失敗している)。奈良と能(猿楽)との深い関わりを踏まえ、能に関係する資料は充実。宝山寺の世阿弥自筆能本江口、金春太夫宛書状のほか、談山神社の摩多羅神面をはじめとする仮面15面、長尾神社の翁・延命冠者・尉・悪相(尉)の4面、狭川両西敬神講の翁・黒色尉・父尉・延命冠者の翁系4面を含む6面をじっくり鑑賞。満足。図録あり(35ページ、600円)。
奈良国立博物館
第68回 正倉院展
(10月22日~11月7日) 吉例正倉院展ご拝観。善男善女の頭越しに至宝にまみえる。漆胡瓶、大幡残欠、布作面と、さまざまな形状の鈴、平脱鳳凰頭、銀平脱龍船墨斗、撥鏤飛鳥形は頑張って最前列に出て鑑賞。鈴の種類の豊富さに驚くとともに、日常、もう少し鈴資料の残存状況に気をつけなければと思い改める。図録あり(136ページ、1200円)
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