11月22日
根津美術館
開館75周年記念特別展 円山応挙-「写生」を超えて-
(11月3日~12月18日) 円山応挙の初期作品、大画面のものを多数含む代表作、写生図帖類を集め、その画風形成の軌跡をたどる。最初の展示室には根津美術館藤花図屏風とともに、圓光寺雨竹風竹図屏風、三井記念美術館雪松図屏風(後期は個人蔵雲龍図屏風、宮内庁三の丸尚蔵館源氏四季図屏風)が並び、最後の展示室に相国寺七難七福図巻3巻が配されていて眼福。各種写生図帖・図巻は5点を集め、1週間ごとに頁替えする由。図録あり(206頁、2000円)。気鋭の論考5篇掲載。応挙研究の最前線をお勉強。
神奈川県立金沢文庫
生誕800年記念特別展 忍性菩薩-関東興律750年-
(10月28日~12月18日) 今夏に奈良国立博物館で開催された「忍性」展第一段に引き続き、関東興律をキーワードに、称名寺聖教、極楽寺文書、多田神社文書、金沢文庫文書を核にして忍性の活動の足跡を追う。もちろん仏像からも忍性の行動を追跡するスタンスは徹底。蔵福寺(茨城県阿見町)阿弥陀三尊像に記された建長4年(1252)銘は、忍性が東国下向し常陸三村寺に入った直後の日付けであり、同像の開眼供養に忍性が関与した可能性を指摘する。観音寺(茨城県行方市)の鎌倉時代中期の銅製如意輪観音坐像は、忍性が文応元年(1260)に同寺を中興したとする伝承を実作例によって裏付けるものと評価し、薬王院(茨城県桜川市)の銅製薬師如来坐像は頭部を清凉寺式とする作例で、同寺でも忍性は弘安元年(1278)に宝塔を建立しており、真言律の影響下にあることを物語るとする。極楽寺本尊の清凉寺式釈迦如来立像も、文永4年(1267)の同寺入寺直後の作の可能性が高いと判断。仏像もまた、歴史を再構築するための重要な手掛かりであり、こうした読み解きは大切な作業。ほか、極楽寺の忍性菩薩坐像、興正菩薩叡尊坐像、釈迦如来坐像、唐招提寺東征伝絵巻など。図録あり(96ページ、1500円)。
スポンサーサイト
- http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/747-21db580a
トラックバック
コメントの投稿