12月3日、できていない原稿と講座資料に後ろ髪引かれつつ、京都へ車を走らせる。いざ高麗仏画!
泉屋博古館
特別展 高麗仏画-香りたつ装飾美-
(11月3日~12月4日) 泉屋博古館・根津美術館の所蔵品を核として日本伝来の高麗仏画を集めるとともに、泉屋博古館水月観音像(徐九方筆)の修理成果を披露する。至元23年(1286)銘阿弥陀如来像(島津家伝来)を筆頭に、至元31年(1294)銘弥勒下生変相図(妙満寺)、大徳10年(1306)阿弥陀如来像(根津美術館)など重要な基準作例が並び、それらと比較しつつ鑑賞できることのありがたさ。阿弥陀・観音・地蔵の着衣形式に注意しつつ、細部文様の精緻さ丁寧さに改めて感心する。「香りたつ装飾美」の副題が、とてもつきづきしい。根津美術館では3月4日~3月31日に開催、作品も変わる由。韓国の学生・研究者も多く来場されていて、熱気あふれる。図録あり(208頁、2000円)。概説(鄭于澤)、論考(井出誠之輔)、報告(実方葉子、白原由起子)の4篇掲載。
永観堂禅林寺
秋の寺宝展
(11月8日~12月4日) たくさんの御参拝のお客さんの間を縫って、金銅蓮華文磬(国宝)、薬師如来像(重文)、来迎阿弥陀如来像(重文)、長谷川等伯筆波濤図(重文)を眺め、本堂で見返り阿弥陀(重文)をご拝観。「原稿、遅し」という声がしたような…。
八幡市立松花堂美術館
国宝指定記念特別展 石清水八幡宮をめぐる8つのエピソード
(10月29日~12月11日) 石清水八幡宮本殿が国宝指定されたことを記念して、石清水八幡宮と山麓寺院の伝来品を核に、石清水の八幡信仰の諸相を示す。平成3年に本殿裏の校倉より発見された神像群(重文)のうち、展示機会の少ない童子形坐像2躯(袍に文様が残る)、平成19年に見つかった旧大乗院の遺宝群から鎌倉時代の仏眼仏母像(永享3年[1431]寄進銘)、聖観音懸仏(室町時代)、石清水八幡宮が描かれた海住山寺の宝珠台を赤外線画像とともに展示。宮殿形厨子に納められた板貼りの八幡垂迹曼荼羅図(室町時代)、石清水八幡宮文書のうち「八幡宮寺内外殿之間事 絵図不出」など、社殿内のようすをうかがえる資料があることを知る(ただしこの2点は図録不掲載、残念)。ほか円山応挙筆群鳩図絵馬(天明7年[1787]奉納)、岡田(冷泉)為恭筆石清水臨時祭図屏風(白鶴美術館)も見応えあり。図録あり(44頁、B5版、1200円)。
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