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東京国立博物館「小林斗アン 篆刻の軌跡」「平安の秘仏」鑑賞記

 12月9日、東京文化財研究所で第11回無形民俗文化財研究協議会に登壇。当方は「文化遺産の複製と信仰環境の維持-防犯対策の事例から-」と題して報告。いろいろご質問もあり、文化財盗難問題とそれへの対応について情報を共有化してもらうよい機会をいただく。終了後、翌日早朝から調査があるため懇親会を失礼して帰宅の途につくも、せっかくなのでとなりの東博の夜間開館に滑り込む。

東京国立博物館
 特集 生誕百年記念 小林斗アン 篆刻の軌跡-印の世界と中国書画コレクション-
(11月1日~12月23日)

 『中国篆刻叢刊』全40巻を編纂した篆刻家小林斗アン(今+酉+皿)の印と所蔵した中国書画を一室に集める。展示する斗アンの篆刻の数111顆(前後期で展示替え)、印影・印譜もずらりと並んで壮観。「篆刻」で展示を構築することの難しさを感じるが、印材・印面・印影をパネル等を効果的に用いてできるだけの情報を伝えようとする意図が見え、鑑賞者の便を図っており、勉強になる。図録あり(298ページ、2500円)。

 特別展 平安の秘仏-滋賀・櫟野寺の大観音とみほとけたち-
(9月13日~1月9日)

 9月16日、10月21日に続き、3度目の鑑賞。会期終了間際と思っていたら(当初は12月11日まで)、1月9日まで会期延長とのこと。今後寺外にでることのないであろう平安時代中期を代表する観音像の大作が、首都で多くの人に長く鑑賞の機を得られることはかけがえのないことで、会期延長を寿ぎたい。おそらくは寄託期間に関する状況の変化に対して臨機応変に弾力的な対応をされたものと想像するが、当初計画を変更してでも鑑賞者(及び所蔵者)の利益・便益を最大化させる選択をされた同館及び担当者に敬意を表する。図録あり(100ページ、1800円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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