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細見美術館「末法」、京都文化博物館「至宝をうつす」、京博「いぬづくし」「梵音具」鑑賞記

12月20日
細見美術館
 末法/Apocalypse-失われた夢石庵コレクションを求めて-
(10月17日~12月24日)

 宗教美術を中心とした資料群をフィクションによって結びつけて集約し、展示自体を一つの物語として提示する。伝来場所より切り離された美術資料を個人が「収集」し「所有」する行為を前景化させつつ作品との対峙を促すもので、それゆえ伝来情報も資料の価値評価もまた各自が対峙し判断するべき要素となる。公立館では不可能な、個人コレクションに基づく私立美術館ならではの挑戦的な展示。近時詳細が報告された道隆寺旧蔵の天部立像(清水眞澄「香川・道隆寺旧蔵木造天部立像と、いわゆる「獅噛」について」『国華』1454、2016)、像内に記された天文12年の修理銘により興福寺子院伝来と分かる弥勒菩薩立像、伝来不詳ながら格調高い随身坐像、集約された「伝」金峯山出土の鏡像群をじっくり鑑賞。図録あり(208ページ、3000円)。

京都文化博物館
 便利堂130周年記念 至宝をうつす-文化財写真とコロタイプ複製のあゆみ-
(12月16日~1月28日)

 絵画・古文書の精細な文化財複製の制作に携わる便利堂によって継承されてきたコロタイプの技術と印刷されたさまざまな「作品」を提示。法隆寺金堂壁画はその写真撮影の様子を示しつつ、原寸大のコロタイプ印刷(モノクロ)12幅が一室にずらりと懸けられ壮観。蒙古襲来絵詞や地獄草紙の複製など、その再現度の高さに改めて気づく。図録あり(52ページ、972円)。

京都国立博物館
 新春特集展示 いぬづくし-干支を愛でる-
(12月19日~1月21日)

 平成30年の干支にちなんで犬の表された作品をチョイス。京丹後市・竹野神社の等楽寺縁起絵巻、栗棘庵石清水曼荼羅のほか、館蔵の獅子・狛犬、仏涅槃図など。リーフレットあり(A3二つ折り、無料》。

 名品ギャラリー 梵音具
(12月19日~1月28日)

 金工室の特集。最古の紀年銘がある長承3年(1134)銘鉦鼓、称名寺剱阿の室生寺への寄進銘がある梵字を墨書した銅鑼など、鉦鼓・鰐口・錫杖頭・磬が並ぶ。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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