10月4日、担当企画展最終日ながら、急な出張で東京へ。用務の前後に展覧会鑑賞。
多摩美術大学美術館
加東市×多摩美特別展 神仏人 心願の地
(9月1日~10月14日) 加東市内に所在する主に宗教文化に関わる文化財を東京で紹介。清水寺の銅造菩薩立像(重文)、秘仏本尊厨子内安置の毘沙門天立像、朝光寺の秘仏本尊千手観音立像(重文、東本尊)、独特な風貌の翁面のほか、東古瀬地区の地蔵菩薩立像、花蔵院釈迦十六善神像、持宝院熊野観心十界図など、拝観・鑑賞の機会の限られる資料多数で貴重な機会。清水寺の大日如来坐像(五智如来坐像のうち)は、髻に毛束で表した花形飾りや、背面腰帯の横皺の表現、正中で左右矧ぎとする構造など、平安時代末期の奈良仏師作例と見られるもの。光背・台座も古様なところがある。各作例の年代比定には検討が必要なものもあるが(偉そうにごめんなさい)、この機会でなければ見られず、知ることのなかった作例に出会えたことの幸せ。図録あり(184ページ、2500円)。
三井記念美術館
特別展 仏像の姿-微笑む・飾る・踊る-
(9月15日~11月25日) 仏像の顔・装飾・動きに着眼し、造像に携わった仏師の感覚や技量を実作例を通じて共感的に鑑賞する試み。四天王寺阿弥陀如来及び両脇侍像(重文)、聖衆来迎寺薬師如来立像(重文)、誓願寺毘沙門天立像(重文)といった教科書的な名品とともに、鑑賞機会の少ない個人所蔵資料を積極的に集めて、バラエティに富んだ顔ぶれの出陳品群を形成する。かたちの面白さとともに、素材としての木の聖性にも目配りしていて、瀬古区十一面観音立像(重文)、長円寺十一面観音立像(重文)、本山寺観音菩薩立像(重文)、個人蔵の観音菩薩立像、個人蔵弥勒菩薩立像、四天王寺十一面観音立像と、檀像の系譜をたどるような見方も可能。東京藝術大学文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室による模刻像や修復作例も紹介。図録あり(108ページ、2000円)。
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