FC2ブログ

Entries

神奈川県立金沢文庫「顕れた神々」、神奈川県立歴史博物館「鎌倉ゆかりの芸能と儀礼」鑑賞記

11月22日、代休取って東京へ。午前中会議のあと、お役ご免で横浜へ。風邪気味でうとうと居眠りしてたら金沢文庫で降りそこない、金沢八景駅から瀬戸神社と龍華寺を参拝しつつ金沢文庫へ。

神奈川県立金沢文庫
 特別展 顕れた神々-中世の霊場と唱導-
(11月16日~1月14日)

 神々が立ち顕れる場とその姿を、神像・仏画・唱導資料を組み合わせて提示する。称名寺聖教の唱導資料を基層にしつつ、さまざまな個人コレクションから資料を選定し、初公開を含む珍しい資料が集約。中でも伝日光山伝来の銅製男神坐像は、笏を執って右足を踏み下げる束帯男神像で、両袖裏に嘉元3年(1305)銘を有する。輪王寺の男神坐像・女神半跏像と三神像を構成する1体であり大発見。八幡神華鬘(南北朝時代)二面には、薬師寺休ヶ岡八幡宮の国宝八幡三神像のうち中尊像と比売神像の姿を写し、自然景観の中に描く。神像の臨写がいかになされたのかを考える上で注目される資料。ほか、大威徳明王懸仏(鎌倉時代)は新宮・阿須賀神社伝来資料と伝えられ、作風からもほぼ確実。個人コレクションが神道美術の重要な鉱脈であることを痛感するとともに、それらを積極果敢に集め公開することで情報の共有化を図った意欲的な内容。図録あり(112ページ、1800円)。
 なお、金沢文庫・神奈川歴博・国文学研究資料館・國學院大學博物館と、名古屋大学大学院人文学研究科付属人類文化遺産テクスト学研究センターの連携事業で、「列島の祈り」をテーマにして各館でそれぞれ展示が開催中。今までになかった大規模な学術面での連携による新たな展示のあり方。

神奈川県立歴史博物館
 特別展 鎌倉ゆかりの芸能と儀礼
(10月27日~12月9日)

 鎌倉とその周辺で継承され、あるいは記録された芸能に着目して資料を集約する。特に仮面を使用する祭礼を中心に紹介。仮面をかぶる異形のものはいわば神仏であり、それらが顕れる儀礼の場を、古文書・絵画資料・仮面で展示室内に立ち上げる。御霊神社面掛行列の行道面10面は明和5年(1768)、乾漆製。独特の作風であるが、共通する形状の八雲神社行道面7面(天保10年銘)も合わせて並べ(御霊神社面の写しか)、古面からの作風の継承を示唆する。舞楽面からの影響のある鼻長、ゆがみのある祖父面との共通性をもつ火吹男など、今後の中世仮面の系譜の中に位置づける作業は、紀州の面掛行列研究にとっても有益。瀬戸神社の獅子頭(鎌倉時代)、阿弥陀寺の承安4年(1174)銘菩薩面をありがたくじっくり鑑賞。ほか、八菅神社の役行者像(室町時代)など、八菅山修験に関わる資料も集約していて有益。図録あり(176ページ、1500円)。
スポンサーサイト
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/818-9fb82876

トラックバック

コメント

コメントの投稿

コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

最近の記事

月別アーカイブ

ブログ内検索