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國學院大學博物館「國學院大學図書館所蔵那智参詣曼荼羅巻子本の仕立てを探る」「列島の祈り」鑑賞記

12月13日、社会教育実践研究センターの平成30年度博物館学芸員専門講座に登壇のため上京。途中渋谷へ立ち寄り。

國學院大學博物館
 特集展示 國學院大學図書館所蔵那智参詣曼荼羅巻子本の仕立てを探る-東京文化財研究所による光科学的調査の成果報告-
(12月5日~1月14日)

 那智参詣曼荼羅巻子本の東文研による光科学的調査の成果を紹介(同大文学部歴史地理学教室主催)。掛幅装から巻子への変更が、実に細かな調整によって切り貼りしていることが明らかにされており、驚きの連続。切り抜いた画面と画面の貼り合わせ部も精密で、展示されている原本を目を凝らして見ても、ただちに分からない。使用形態の変更時期は、木曳き部分の削除、本願の門・塀消去を重視して参詣曼荼羅本来の機能が変容した段階での改変と捉える。滝の上部を使用しなかったことも大胆と思う。解説シートあり。同調査の報告書として『國學院大學図書館所蔵那智参詣曼荼羅巻子本光学的調査報告書』(2018年2月発行)あり。またこの巻子本の画面の復元については吉田敏弘「那智参詣曼荼羅」(大学院六十周年記念國學院大學影印叢書編集委員会編『起請文と那智参詣曼荼羅』、朝倉書店、2017年3月)で成果が紹介される。

 企画展 列島の祈り-祈年祭・新嘗祭・大嘗祭-
(11月3日~1月14日)

 稲作に関わる国家祭祀である祈年祭・新嘗祭・大嘗祭の歴史的経緯を紹介。令義解(重要文化財、同大図書館蔵)、御田植巫女舞図屏風(館蔵)など。特集展示「記念の法会と神々」を同時開催。展示内容とは一致しないものの、会期途中から『資料で見る大嘗祭』(19ページ、300円)を頒布。金沢文庫・神奈川歴博・国文学研究資料館・名古屋大学大学院人文学研究科付属人類文化遺産テクスト学研究センターとの連携事業「列島の祈り」に基づく展示。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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