12月16日
堺市博物館
企画展 堺・経典をめぐる文化史
(11月17日~12月16日) 最終日に滑り込み。堺市域の仏教文化を経典を軸にして紹介する。館の調査で見いだされた法道寺の雑阿含経巻第三十六は、奥書部分が切断されているが天平15年(743)5月11日に書写された新出の天平写経(五月十一日経)と判明。金剛峯寺本・東博本と並べて比較展示する。また河内長野市の天野山金剛寺一切経中に含まれる、堺市域の寺院で書写された経典を選びだし、野々井寺、常楽寺、善福寺、華林寺、山井寺、長承寺、念佛寺、大野寺、釈尊寺、向泉寺、栄多寺などを復元しつつ展示。このうち廃絶した行基院山井寺から栂自治会に引き継がれ守られる千手観音立像は平安時代、10世紀の作例で、後補ながら板状の小手を多数取り付けた魅力的な真千手の像。経典奥書から地域史を立ち上げるのはとても効果的な手法。堺出身で鎖国下のチベットに入国した河口慧海も取り上げ、東洋文庫の梵文法華経貝葉写本(11世紀)など貴重な慧海請来経も並ぶ。充実。図録あり(80ページ、1240円)。
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