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高野山霊宝館「密教の美術」鑑賞記

3月1日、高野山麓、山上での仕事の合間に立ち寄り。
高野山霊宝館
 平成30年平常展 密教の美術
(1月19日~4月14日)

 今回の平常展の軸は孔雀明王。正治2年(1200)快慶作の、羽を広げた孔雀に座した孔雀明王坐像(重文)を安置する新館第2室は照明を落として演出し、あたかも孔雀経法を修する道場のように荘厳。中尊寺経から大金色孔雀王咒経(国宝)、荒川経から大孔雀明王経(重文)も並べる。金輪塔本尊の一字金輪仏頂坐像も並び、平安時代末期の奈良仏師作例から鎌倉時代初期の慶派仏師への作風展開をうかがう。冷え込む紫雲殿には凍るように鮮やかな彩色の宋元及び高麗仏画の優品が出陳。阿弥陀八大菩薩像は南宋~元代の作例、宝寿院の楊柳観音像は高麗時代、常喜院の薬師曼荼羅図は隆慶6年(1572)銘の朝鮮仏画。ほか正智院の影向明神像をじっくり。狩衣・烏帽子で立ち姿の高野明神像の図像成立時期について考える。図録なし。
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大河内智之

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「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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