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香雪美術館「羅漢さん」、東博「奈良大和四寺のみほとけ」、びわ湖長浜KANNON HOUSE、三井記念美術館「円覚寺の至宝」鑑賞記

先週、方々への出張の合間の時間を縫って重要な展覧会に駆け込み。
6月18日
香雪美術館
 羅漢さん-仏教を護る聖者たち-

(5月18日~7月15日)
 村山コレクション中の羅漢に関する資料を、絵画と画中に描写される調度から紹介。展示面積的には南北朝~室町の十六羅漢図と江戸時代(古様に見えるように写したもの)の十六羅漢図が大きく占めるが、通底するのは明恵上人の羅漢信仰への接近。ポスト「明恵の夢と高山寺」(於中之島香雪美術館)展の様相。
 明恵の羅漢信仰を示す重要資料として十六国大阿羅漢因果識見綬頌(建久10年、明恵・喜海写、個人蔵)。パネル展示で明恵上人樹上坐禅像に影響を与えた図様の羅観図を含む和歌山浄教寺の十六羅漢を取り上げ(大心院系)、この系統の羅観図の零本を紹介。大心院系十六羅漢は西大寺本(室町後期)、聖林寺本(桃山)も写真で紹介され、研究が一気に進展。この系統の羅漢図は十八羅漢の可能性がありそう。パネルの内容も掲載したリーフレット(A3両面)あり。

6月20日
東京国立博物館
 特別企画 奈良大和四寺のみほとけ
(6月18日~9月23日)

 国宝・重文の本尊を擁する奈良県中央部の四ヶ寺からなる「奈良大和四寺巡礼」(H27年結成)の構成寺院の仏像を本館第11室に集める。岡寺義淵僧正坐像(国宝)、菩薩半跏像(重文)、天人文甎(重文)、室生寺釈迦如来坐像(国宝)、十一面観音立像(国宝)、長谷寺銅造十一面観音立像(重文)、難陀龍王立像(重文)と、古代~中世の重要作例がずらり。安倍文殊院からは快慶作文殊菩薩坐像(国宝)の納入経巻。大和の古寺の長期出開張展。図録あり(48ページ、864円)。

びわ湖長浜KANNON HOUSE
 野瀬町大吉寺聖観音立像
(5月28日~終了日未定)

 大吉寺の秘仏本尊のお前立ちの聖観音像がお出まし。平安末~鎌倉初の作例ではあるが、正面観では首が肩に沈み、随分腰高で足の長いプロポーションで、何か古様で個性的。大吉寺と集落の結びつきは密接で、自治会長経験者が信徒総代をつとめるとともに、観音の分霊を預かる「頭人」制度があり、またその経験者で構成する大吉寺史跡保存会もあるとのこと。仏像の継承の背後には、信仰の場を地域の人々が維持し関わる仕組みがある。解説カードあり。

6月21日
三井記念美術館
 特別展 鎌倉禅林の美 円覚寺の至宝
(4月20日~6月23日)

 円覚寺大用国師・釈宗演老師の大遠諱を記念して、円覚寺とその一門寺院の文化財を展示公開。円覚寺開山の無学祖元に関する資料が充実。円覚寺無学祖元坐像(重文)、慈照院無学祖元像(春屋妙葩讃)、相国寺無学祖元墨蹟(国宝)、無学祖元所持品と伝わる開山箪笥収納品(重文)からは丹地霊芝雲文金襴九条袈裟、木印、堆朱・堆黒の優品、払子等々。頂相では、建長寺蘭渓道隆坐像(重文)、正統院高峰顕日坐像(重文)、瑞泉寺夢窓疎石坐像(重文)、白雲庵東明慧日坐像(重文)、正伝庵明岩正因坐像を集めて豪華。ほか円覚寺銅造阿弥陀三尊像(重文)、清雲寺瀧見観音菩薩遊戯坐像(重文)、東慶寺観音菩薩立像(重文)など仏像多数。図録あり(172ページ、2300円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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