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泉屋博古館「文化財よ、永遠に」、京都市歴史資料館「京都市指定の文化財」、京都国立博物館「美を守り、美を伝える」鑑賞記

9月12日、京都での仕事の合間に時間を作って見るべき展示を見て回る。

泉屋博古館
 住友財団修復助成30年記念 文化財よ、永遠に
(9月6日~10月14日)

 住友財団による文化財修復への助成事業30周年の節目に際して、住友コレクションの展示施設である泉屋博古館を中核に全国4会場(泉屋博古館・同分館・九州国立博物館・東京国立博物館)で開催する文化財修理と保存の啓発展示。泉屋博古館会場では京都府下の修理助成作例を中心に集める。彫刻では平安末奈良仏師作例の浄瑠璃寺大日如来坐像、正和4年(1315)の躍動的な動きを見せる院派作例の大興寺十二神将立像(巳・午)、絵画では神護寺の山水屏風、栗棘庵の八幡若宮神像、聖護院熊野宮曼荼羅、ほか冷泉家時雨亭文庫の明月記など。図録あり(164ページ、1200円)。図録は4会場それぞれで発行するが、総論・概説・座談会は全て共通で、出品資料の解説付きのカラー図版部分(及び表紙)が異なる。オープン前の東博分以外は同時販売(分館分192ページ、1200円、九博分132ページ・1080円)。

京都市歴史資料館
 企画展 ICOM京都大会開催記念 京都市指定の文化財
(8月30日~10月20日)

 ICOM京都大会にあわせて、市指定の優品を集めて展示する貴重な機会。勝光寺聖観音立像は9世紀の作例で、真如寺伝来。真如寺は貞観4年(862)創建と伝承。鳥羽地蔵浄禅寺の十一面観音立像は等身に近い10世紀作例。赤間薬師堂の薬師如来坐像と慈眼堂(中院町文化財保存会)の千手観音立像は、修理の際の情報も紹介。ほか八幡宮社の室町時代懸仏や鎌倉時代鏡像、十念寺の曾我蕭白筆雲龍図(安永7年〔1778〕)など。図版・解説付きのリーフレットあり(A4・8ページ、無料)。

京都国立博物館
 ICOM京都大会開催記念 特別企画 京博寄託の名宝-美を守り、美を伝える-
(8月14日~9月16日)

 ICOM京都大会開催を記念して、京博寄託品から選りすぐって、日本美術史叙述の上で骨格をなす重要資料の数々を全館で展示。優品優品また優品で出陳品列記にきりがないけれど、仁和寺孔雀明王像、清浄華院阿弥陀三尊像の宋仏画並びや、仁和寺宝相華迦陵頻伽蒔絵𡑮冊子箱、宝相華蒔絵宝珠箱、延暦寺宝相華蒔絵経箱の平安蒔絵並び、正伝寺兀庵普寧(or東巌慧安)所用品と天授庵無関普門所用品の宋元袈裟並びなど、「美」にのみ収斂されない信仰の証の伝領の歴史にも思いをいたす。本展出陳資料とも重なりつつ、今回の機会に京博寄託品を選んで編集した同名の図録(248ページ、1800円)あり
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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