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龍谷ミュージアム「日本の素朴絵」、大津市歴史博物館「大津南部の仏像」、滋賀県立安土城考古博物館「『動物美術館』開演!」鑑賞記

10月19日
龍谷ミュージアム
 日本の素朴絵-ゆるい、かわいい、楽しい美術-
(9月21日~11月17日)

 前近代における、ゆるくおおらかな絵画の系譜を「素朴絵」と定義づけて作品を集める。この種のテーマといえばこれ!の日本民藝館のつきしま絵巻や、サントリー美術館の鼠草子絵巻、西尾市岩瀬文庫のかみ代物語絵巻など御伽草子を骨格として、白隠・仙厓の禅画のほか、円空・木喰の行者系彫像や素人手の神像、石工・陶工による狛犬まで目配りして資料選択。「素朴」という表象で括った上で、それらが現れる背景の多様性にも目配りする。意図的でない「素朴」は始原に接続する。図録あり(216ページ、2000円)。

大津市歴史博物館
 企画展 大津南部の仏像-旧栗太郡の神仏-
(10月12日~11月24日)

 大津市南部、栗太郡・滋賀郡内の9地区別に、継承された宗教美術を紹介。承暦4年(1080)銘を有する若王寺大日如来坐像や同寺如来立像(重文)、須賀神社薬師如来坐像(県指定)、安楽寺薬師如来坐像(重文)など仏像だけでなく、建部神社の神像群(重文)や近津尾神社、毛知比神社などの神像も紹介。不動寺不動明王像、雲住寺不動明王二童子像、荒戸神社仏涅槃図など中世の仏画が、朽損甚大ながらも継承されているのも地域性。制作時期の判断が難しい立木観音安養寺の大日如来坐像の立体表現や細部形式を興味深く鑑賞。図録あり(112ページ、1400円)。

滋賀県立安土城考古博物館
 特別展 『動物美術館』開演! 
(10月12日~11月24日)

 動物をモチーフとした宗教美術に着目し、埴輪・絵馬・禽獣座から牛頭天王、涅槃図などなど広く目配りしながら、狛犬に特に着目して資料を集約。展示室に入ると、うわっと思わず声が漏れてしまうほどの狛犬大集合で隙間なし。木造狛犬は県下から集め、天皇神社像(平安)、石山寺像(平安)、大宝神社像(鎌倉)、小山田元宮保存会像(南北朝)、日吉大社像(江戸)、竹田神社像(江戸)、石造では京都・高森神社像(南北朝)、和歌山・薬徳寺像(長禄3年[1459])のほか、小谷神社像(室町)など県下の笏谷石製狛犬を集約、陶製狛犬は京都・高倉神社像(桃山)や愛知県・伊勝八幡宮像(室町)、愛知県陶磁資料館のコレクションを展示。琵琶湖文化館のコレクションからは円山応挙の狗子像、森狙仙の猿猴図もチョイス。図録あり(130ページ、1500円)。出陳品以外の滋賀県下の狛犬も多数掲載され、特論「近江の狛犬たち」(執筆山下立)は滋賀県の狛犬研究の研究史と到達点を提示。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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