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玉稿頂戴しました(20080725)


「民衆は陰惨な怨霊面を道化の面に変え、陰を陽に変え、悲しみを笑いに変えていった。底抜けに明るい大きな力を持っていました。顎を持って無造作に着脱したといえば粗末な扱いと思うでしょうが、この面を裏側から見ると、眼のところが大きく破損している。それを丹念に、裏側に別の木を貼り付けて修復している。表から見るとまったく判りません。破損した所を心をこめて修復してきたところに民衆の仮面に対する気持、しかも陰惨なものを底抜けに明るいものに変えて神楽面にしてしまった気持、こういうことも仮面を通して学んでゆくのです。」(乾2008、129頁、「私の仮面論」)
乾武俊『自選 乾武俊著作集第3巻 「仮面」と「舞台」』(私家版、2007年11月)
ありがとうございました。ご所蔵の中世仮面の数々を一望でき、また芸能や仮面をとりまくある種の「空気」を意識させる論考・劇作に触れることができ、いつのまにか仮面を扱うことの増えてきた私としては、気が引き締まる思いです。本当のアカデミックとはなにか、よく分からない曖昧な部分をいかに形とするのか、私も仮面との対面の中で学んで行きたいと思います。

観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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