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長野市立博物館「神と仏が宿る里」、諏訪市博物館「佛法紹隆寺」、飯田市美術博物館「光明寺の文化財」鑑賞記

11月6日
長野市立博物館
 特別展示 神と仏が宿る里-北信濃の山寺-
(9月14日~11月17日)

 長野県北部の山寺(山岳寺院)に着眼し、その信仰の場のあり方を伝来する仏像・神像から浮かび上がらせる。小県郡山家の山寺として実相院の馬頭観音坐像は馬頭をいただき瞋怒相としない作例。平安時代まで遡りそう。同寺の十一面観音立像は山家神社神宮寺旧蔵の像。筑摩郡麻積の山寺として岩殿寺の男神立像3軀のうち2軀はもと岩殿山山頂の三所権現安置像。浄衣・折烏帽子を付けた神官の姿は山の神の一つの現れ方で、眦の切れ上がった風貌は現実感があり、ガラスを挟んでしばし見つめ合う。福満寺賓頭盧尊者坐像は、背面に応保元年(1161)の刻銘あり。作風も平安後期で造像銘とみられる。高井郡小菅の山寺では小菅神社の馬頭観音坐像。朽損も激しいが平安後期の作。元小菅山元隆寺本堂「賀耶吉利堂」本尊。図録あり(116ページ、700円)。

諏訪市博物館
 企画展 佛法紹隆寺-諏訪の真言道場 古刹の歴史-
(9月14日~11月24日)
 
 諏訪市の佛法紹隆寺に伝わる仏像・仏画・聖教類を紹介。普賢菩薩騎象像(長野県宝・南北朝時代)はもと諏訪神社上社神宮寺の如法院伝来。細密な光背も当初。伝法灌頂次第は徳治3年(1308)三宝院権僧正が室生寺で書写し、のち紀州福寿院舜乗房から遠州大山寺明王院に伝来。ほか秘密灌頂道具一式のほか、南北朝時代の沙石集、鎌倉時代の釈迦十六善神像(長野県宝)など。リーフレットあり。

諏訪大社上社宝物殿
 上社参拝して宝物殿立ち寄り。かつての信仰対象である法華経を納めた鉄宝塔が拝殿先の区画に描かれている諏訪大社上社古図や諏訪大社上社文書のほか、室町時代と江戸時代の狛犬2対。もと御宝殿内の神輿周囲の四隅に安置とのこと。

飯田市美術博物館
 トピック展示 光明寺の文化財
(10月29日~2月11日)

 飯田市久米の光明寺伝来の仏教美術を紹介。保延6年(1140)在銘の薬師如来坐像をじっくり鑑賞。銘記写真のパネルもあって有益。鎌倉時代の千手観音懸仏は鏡板を失うが大ぶりで優れた出来映え。ほか江戸時代の十二神将立像、仏涅槃図など。

鳩ヶ嶺八幡宮
 帰りに立ち寄り。社殿内に安置される主祭神の誉田別尊坐像(重要文化財)は像内銘に建治3年(1277)造像始、弘安11年(1288)完成。なぜ12年もかかったのだろう。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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