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東京国立博物館「出雲と大和」「伝説の面打たち」、びわ湖長浜KANNON HOUSE鑑賞記

2月21日
東京国立博物館
 日本書紀成立1300年特別展 出雲と大和
(1月15日~3月8日)

 古代の祭と政の構造を日本書紀を基軸に出雲・大和を対比的に捉え、祭祀や葬送の場とかたち、そして仏教受容の様相を紹介。島根県・奈良県と東博の共同企画。前半は出雲大社の心御柱・宇豆柱、荒神谷遺跡出土の銅剣・銅矛、加茂岩倉遺跡出土の銅鐸など島根県立古代出雲歴史博物館の収蔵品、メスリ山古墳の埴輪や黒塚古墳の鏡、藤ノ木古墳の副葬品など奈良県立橿原考古学研究所の収蔵品を中心に重要資料を紹介。後半の仏像ゾーンでは法隆寺献納宝物の仏像、鰐淵寺金銅仏、當麻寺持国天立像、石位寺浮彫伝薬師三尊像、大安寺楊柳観音立像や多聞天立像、矢田寺十一面観音立像、萬福寺四天王立像など飛鳥・奈良・平安前期彫刻がずらり並んで壮観。八重垣神社本殿板壁画の可憐な神の風貌を間近に確かめる。図録あり(342ページ、2500円)。

 特集 伝説の面打たち
(1月2日~2月24日)

 室町時代に活動し、その後能面制作者や能役者の間で語り継がれ、また創作仮面に名を残した半ば伝説化した数々の面打について、鑑定銘を伴う収蔵資料から紹介。赤鶴作の山姥、一透作の大癋見、日光作の三番叟、文蔵の鼻瘤悪尉、龍右衛門の中将、越智の深井、増阿弥の増女、福来の阿古父尉、日氷の痩女などずらりと並ぶが、真にそれらの面打の作と確証を得られるものは一つとしてないところが重要。鑑定の真偽の問題ではなく、いかに能面が受け継がれたのかという受容史に果敢にコミットして共有化を図る、科学的な能面研究のあり方を提起していてキラリと光る(山姥の眼もギロリと光る)。図録あり(24ページ、660円)。

びわ湖長浜KANNON HOUSE
 高月町西野 正妙寺 千手千足観音立像
(12月24日~3月15日)

 10月での閉館を表明された同施設の定点観測。瞋怒相で額に三目を配し、真手を伴わない千手を表して、条帛を着けず、君裾をまくって膝頭を出し、千足を表した稀有な図像の観音像。台座形状から17世紀末~18世紀前半ごろの制作かと思われるが、上記特徴には古像に類例のあるものもあって大変興味深い。1点集中で鑑賞するという手法(長浜方式)は汎用性があると思う。小冊子『観音さま』(26ページ、300円)に図版と解説掲載。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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