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福島県立博物館「震災遺産を考える-それぞれの9年」鑑賞記

2月22日
福島県立博物館
 特集展 震災遺産を考える-それぞれの9年
(2月11日~4月12日)

 東日本大震災と原発事故からの9年を、同館が収集を続けている震災遺産と、それらの資料に深く関わる福島の人々の生き様や活動を通じて紹介する。展示の冒頭に設置された、福島県博が作成した南相馬市半杭牧場牛舎の柱のレプリカは、原発事故後の避難で放置せざるを得なかった牛が飢餓のために齧った痕跡が生々しく再現され、餓死した牛の苦しみと、生産者の癒えぬ苦しみを伝える負のモニュメントとして、場を規定する力を持つ。ほか、避難所運営・寺子屋的活動・情報伝達・歴史の記録と、突き動かされるように活動した人々の痕跡を、丁寧に収集した資料が伝える。天災・人災ののち、翻弄されながらも精一杯生きる福島の人々の同時代史をどれだけ残すことができるか、県立博物館がその機能を活かしつつ役割を果敢に果たしていることを、そしてこれから果たしていくこととなる長い道のりへの決意表明を展示の行間に見る。心揺さぶられる。図録なし。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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