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吹田市立博物館「新型コロナと生きる社会-私たちは何を託されたのか-」鑑賞記

8月22日
吹田市立博物館
 ミニ展示 新型コロナと生きる社会-私たちは何を託されたのか-
(7月18日~8月23日)

 同館が「100年後の人々への情報源」として収集を開始している、新形コロナウイルス感染症との対峙・対応の諸相を示す生活資料と写真資料を紹介。感染防止対策と市民生活・経済活動・政治動向・世界情勢が複雑に重なりあう今般の事態は、渦中にある当事者にその全貌は見えにくい。地域社会の防疫・感染症対策と市民生活の推移を示す資料を維持する(本庁の公文書も保管期限で廃棄せずピックアップして移管できれば最善)ことの重要性を、展示にて共有する。
 新聞折り込みチラシ、行政の広報物、店舗の掲示物、手作りマスクや配布マスク、医療関連資料等々、資料は多岐に亘る。千里寺門前に4月15日設置された「千里山・小さな食品庫」のクーラーボックスは象徴的で、中に缶詰やレトルト食品等を入れて自由に持って行ってもらっていたもの。給食と子ども食堂の休止で満足に食事を取れない子、アルバイトが減り実家にも帰れない大学生、ぎりぎりの経済状況で困窮状態となった人に思いを致して副住職が設置し、その後インターネットを活用した寄附者の協力で5月31日まで活動を継続した。モノ資料として、この歴史の一断面を伝える「物語」を背負ったクーラーボックスを確保、保管することは、博物館の可能性を体現するもの。
 博物館による同様の注目される活動としては、福島県立博物館が精力的に進めている震災関連資料の収集がある。現代をいかに資料化し収蔵して発信できるか。世界の博物館情勢を把握し交流する近現代史研究者である担当学芸員による、博物館の可能性を未来へ開く最先端の取り組み。図録なし。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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