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神奈川県立歴史博物館「相模川流域のみほとけ」鑑賞記

10月21日、久々に関東入りして、仏像展鑑賞。

神奈川県立歴史博物館
 特別展 相模川流域のみほとけ
(10月10日~11月29日)

 神奈川県の中央、相模川の流域を一つの文化圏と捉えて、伝来する古代・中世の仏像を集約する。冒頭、龍峰寺千手観音立像は、再調査により古代彫刻の要素を強調しつつ、そこに奈良時代の遺風を残すことを果敢に指摘。展示でも側面、背面を鑑賞でき、調査者のまなざしを追体験しながら鑑賞。
 国分寺不動明王坐像は平安時代末期の奈良仏師作例。小像ながら肉付きよく、腰が立ち背中を伸ばした姿勢で、かつ怒りの表情は抑制されて穏やかで、移行期の特徴を示す。背面に奈良仏師特有の腰帯表現があり貴重な新資料。
 慈眼寺十一面観音菩薩立像、宝積院薬師如来立像は等身大の鎌倉時代彫像。蓮台時他阿真教坐像、栖雲寺中峰明本坐像など肖像彫刻の重要作例も集める。光明寺観音三十三応現身像など南北朝~室町時代の小像を中心に多数集約して紹介する点も重要。
 地域の歴史・文化を掘り起こし整理して共有化を図る地域博物館としての仏像展の役割をしっかり果たしつつ、展示最後に第二次世界大戦時の文化財疎開に関わる公文書を示して「継承」の軌跡をも伝える入念の構成。図録あり(144ページ、1400円)。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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