「本像は以上の点より、「印仏作法の事実をそのまま像内に納入した像」と位置づけられ、造像儀礼としての印仏作法について知るための、平安時代では唯一の作例として評価される。同時に、印仏納入の必然性を復元的に考察するうえでも、貴重な作例といえる。そして、造像にさいしてのさまざまな過程が重んじられ、付加価値をともなった作例としても、その重要性はみなおされるのである。」(佐々木2008、112頁)
佐々木守俊「覚音寺千手観音菩薩立像と納入印仏」(『美學美術史學』22、2008年)
ありがとうございました。印仏が像内に納められることの意味と作法のあり方を具体的に知ることができ、印仏の存在から人と修法と像が関わる歴史の一断面が立体的に浮かび上がることを教えていただきました。一紙の印仏が持つ歴史資料としての重要性を今後はより意識していきたいと思います。
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