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大津市歴史博物館「聖衆来迎寺と盛安寺」、栗東歴史民俗博物館「栗太郡の神・仏」鑑賞記

11月8日、休日を確保して、子に付きあってもらって滋賀へ。

大津市歴史博物館
 企画展 聖衆来迎寺と盛安寺-明智光秀ゆかりの下坂本の社寺-
(10月10日~11月23日)

 明智光秀を導入として、天台宗の名刹聖衆来迎寺と盛安寺の文化財を一堂に公開する。聖衆来迎寺の国宝六道絵15幅を集める(前期)ほか、十二天像、楊柳観音像、本尊釈迦如来坐像、元徳2年(1330)の地蔵菩薩立像、盛安寺の四臂十一面観音立像などなど既知の重要資料だけでなく、新たな調査によって把握された信仰資料の数々が紹介され壮観。仏像では聖衆来迎寺の鎌倉時代の新資料が続々と見出されていて驚くばかり。位牌堂の阿弥陀三尊は各尊別々のものが組み合わされているが、勢至菩薩立像が13世紀半ばごろの秀作で、観音菩薩立像は江戸時代にそれを踏まえて補作。仏像の継承を考える上での好事例。客殿灌頂間安置の愛染明王坐像は鎌倉時代前期の優品。展示では作者系等は慎重に保留。本坊仏間安置の善導大師(阿難)立像は合掌する青年僧の風貌で、阿難と判断。鎌倉時代中期の洗練された肖像彫刻。ほか絵画・経典・聖教類も、列記しきれないくらい多数の新出中世資料が展示室に並ぶ。
 寺院伝来文化財の総合的調査とその公開・共有化を、高いレベルで、迅速に、継続的に果たし続けている同館の「かけがえのなさ」が浮き彫りになるような展示。図録あり(144ページ、1200円)。

栗東歴史民俗博物館
 企画展 栗太郡の神・仏-祈りのかがやき-
(9月19日~11月15日)

 滋賀県南部栗太郡に伝わる仏像・神像、仏画、経典類を、同館寄託品及び滋賀県立琵琶湖文化館の寄託品を活用して一堂に紹介する。善勝寺旧蔵の薬師三尊像、金勝寺の僧形神坐像・女神坐像、小槻大社男神坐像、浄厳院の薬師如来立像や火焔宝珠嵌装舎利厨子、観音寺熊野垂迹神曼荼羅など多様な内容で、滋賀県の宗教美術の精華を展示。常設展示室でもコーナー展示「栗東の神・仏」を開催中で、企画展内容と連動して大宝神社・金勝寺・小槻大社などの仏像・神像を多数紹介。
 展示資料の充実ぶりは、そのまま栗東歴史民俗博物館と滋賀県立琵琶湖文化館の調査研究、収集保存の活動の蓄積を示すものでる。地域のアイデンティティであり、魅力の根源であり、人々を結合する重要な結節点たりうる「歴史」と「文化」、そしてその所産としての「文化財」を維持継承する上で、博物館が健全に活動できる(施設の健全さ、人員配置の健全さ、活動に対する評価の健全さ)ということが、そのまま住民の幸福にまで直結する重要な社会的環境であることに思いを致す。リーフレットあり(8ページ、無料)。

金勝寺
 栗東歴民の展示を見て、そのまま山を登って、久しぶりに金勝寺拝観。本堂釈迦如来坐像、二月堂軍荼利明王立像、虚空蔵堂虚空蔵菩薩半跏像、毘沙門天立像、地蔵菩薩坐像など平安時代の重文仏像の数々を満喫。仁王門の大きな金剛力士像も中世彫像。改めてすごいお寺だなあと実感。狛坂磨崖仏はまだ現地未踏なので、いつか行きたい。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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